最新情報
- パリオリンピック2024で混合ダブルスはベスト16でしたが、シングルスで銅メダル、団体戦で銀メダルを獲得しました。オリンピックメダリストになりました。
- WTTチャンピオンズマカオ2024をキャンセルしました。
- チャイナスマッシュ2024をキャンセルしました。
- 9月28日、ついに練習を再開しました。
- 次の大会はアジア選手権大会になります。間に合いました。
パリオリンピックへの道
早田ひな選手が東京オリンピック後に、パリオリンピックのシングルスに絶対に出ると決めて挑み続け、選考会をぶっちぎりの1位で勝ち抜き、パリオリンピックのシングルスで銅メダル、団体戦で銀メダルを獲るまでの記録です。
パリオリンピック代表選手選考レース
パリオリンピックのシングルス代表選手は、国内選考会を主とした対象の大会で付与された選考ポイントの合計上位2名が選出されます。その選考レースの結果です。
早田ひな選手と平野美宇選手がシングルスの出場権を獲得しました。3人目の団体戦要員には張本美和選手が選出されました。
また混合ダブルスペアには「はりひなペア」が選出されました。
約2年に及んだ選考レース期間中に、早田ひな選手は飛躍的な成長を遂げましたが、その道程は決して平らなものではありませんでした。怪我による戦線離脱や予期せぬ体調不良を乗り越え、選考レース期間を戦い抜きました。
パリオリンピック本番に向けて
シングルス
パリオリンピックのシングルスでは、準決勝まで中国人選手に当たらないようにしたいです。ドローの仕組みから、第3、第4シードならそれを確実にできます。そして第2シードを確保できたら、世界最強である孫穎莎選手と決勝まで当たらないようにできます。
早田ひな選手は第2シードには手が届かなかったものの、後続に大きな差を付けて第3シードを確保しました。
混合ダブルス
はりひなペアがパリオリンピックで優勝を目指す上で絶対に達成したいのが、第2シードの確保です。世界最強の中国ペアと決勝まで絶対に当たらないようにするには、第2シードを確保するしかありません。第3、第4シードだと確率1/2で(ドローにより)中国ペアと準決勝で当たってしまいます。
第2シード獲得競争は最後の対象大会であるWTTスターコンテンダーバンコク2024までもつれました。はりひなペアが逆転でパリオリンピックの第2シードを獲るには、次の条件をクリアする必要がありました。
- はりひなペアが優勝する。
- 林鐘勳/申裕斌ペアがベスト4以下。(決勝に進出しない。)
その林鐘勳/申裕斌ペアが準々決勝で地元タイペアに負けたため、優勝すれば自力で第2シードを奪取できるようになりました。そして準決勝で台湾ペア、決勝で香港ペアに勝って優勝し、パリオリンピックの第2シードを手にしました。これにより王楚欽/孫穎莎ペアとは決勝まで当たりません。
団体戦
パリオリンピックの団体戦で優勝を狙うには、世界最強の中国チームと決勝まで絶対に当たらない、第2シードの確保が重要になります。第3シード以下だと、ドロー運で中国と同じ山に入ってしまい、準決勝までに対戦することになります。
現在シングルスの世界ランキング上位に早田ひな選手、伊藤美誠選手、張本美和選手、平野美宇選手がおり、誰でもいいから上位3名のWRポイントが評価される仕組みなので、期待値的には第2シードの確保は手堅いと言えます。
ついにオリンピックメダリストに
シングルスは左腕を怪我した状態で迎えた3位決定戦で、奇跡的に申裕斌選手に競り勝って銅メダルを獲得しました。団体戦はチーム全員で戦い決勝に進出しましたが、最強中国の壁は厚く準優勝で銀メダルでした。
早田ひな選手は幼い頃から目標にしていたオリンピックのコートで躍動し、金メダルには届かなかったもののオリンピックメダリストになりました。
混合ダブルス
はりひなペアは歴史的逆転で第2シードを得ていたため、決勝まで世界最強の王楚欽/孫穎莎ペアと当たらず、そしてドローにより強敵の林鐘勳/申裕斌ペアは反対の山に入りました。台湾ペアも反対の山に入ったため決勝まで行きやすいと思われていました。
ところが初戦で対戦した北朝鮮ペアが強くて負けてしまい、悔しい初戦敗退(ベスト16)でした。
シングルス
早田ひな選手は準々決勝で北朝鮮のピョン・ソンギョン選手とのフルゲームの激戦を制した際に左前腕を痛め、準決勝の孫穎莎戦は本来の力が出せないまま完敗しました。3位決定戦では試合開始5分前に打った注射が効いて左手の感覚を戻すことができ、申裕斌選手に勝って銅メダルを獲得しました。
早田ひな選手は試合後のインタビューで「私の中では金メダルより価値がある銅メダル」と話していました。
痛み止めの注射を打ち、左腕にテーピングをぐるぐる巻いた状態で強敵の申裕斌選手に競り勝てたのは奇跡でした。この3位決定戦は僕にとって生涯忘れることのできないものになりました。
団体戦
左腕の怪我が癒えない状態で臨んだ団体戦、怪我の治療でも試合でも仲間に助けられながら戦い抜くことができました。身体への負担が少ないダブルス起用に応えて「みうひなペア」で結果を出し決勝に進出しました。決勝の中国戦では「みわひなペア」でフルゲーム・デュースまで行きましたが勝たせてもらえず、チームは0-3で敗れて準優勝、銀メダルでした。
チームが目指していた金メダルには届きませんでしたが、素晴らしい銀メダルでした。
ロスオリンピックを目指します
早田ひな選手はパリオリンピック閉幕直後に、ロスオリンピックでの金メダル獲得を目指すと明言しています。金メダルを獲るまで燃え尽きることはないそうです。
大会出場記録(戦績)
早田ひな選手が出場した、2021年以降の国際大会、国内大会の一覧です。Tリーグのリーグ戦を除く全大会をもれなくカバーしています。
ダブルス
みまひなペアの大会出場記録です。
みうひなペアの大会出場記録です。
混合ダブルス
はりひなペアの大会出場記録です。
とがひなペアの大会出場記録です。
シングルスで優勝した大会
早田ひな選手がシングルスで優勝した、2020年以降の国際大会と国内大会の一覧です。
WTTシリーズ
ITTF主催の多くの国際大会は、2021年からWTTシリーズに置き換えられました。批判も多いですが、良いところもあります。そして選手は決めれたルール・制度の範囲内でより多くの国際大会に出場して実力を発揮し、WRポイントを稼いで世界ランクを上げるしかないことは変わっていません。
WTTグランドスマッシュ
WTTグランドスマッシュはシリーズ最高峰の大会です。優勝すると2,000ポイント獲得できますが、その難易度も最高峰です。
WTTファイナルズ
WTTファイナルズは各年度の最後の特別な大会です。世界ランク上位16名しか参加できません。ボーナスステージのようなものですが、シード数が4しかなく、ドローゲームになっているのが実情です。
WTTチャンピオンズ
WTTチャンピオンズは(ざっくり)世界ランク上位32名、各協会から4名までしか参加できない大会です。
WTTスターコンテンダー
WTTスターコンテンダーは優勝すると600ポイント獲得できます。中国人トップ選手がびっしり参加することが多く、優勝するのが難しいです。
WTTコンテンダー
WTTコンテンダーは開催数が多く、中国人選手が参加しない大会もそれなりにあるため、優勝して400ポイント稼ぐことを目指しやすいです。でも同じことを考えて選手が集まるので、中国人トップ選手以外には負けない実力がないと、そうそう優勝できるものではありません。
世界卓球選手権大会
世界卓球は個人戦と団体戦が毎年交互に開催されています。どちらも選手にとって重要です。
個人戦ではシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目が実施されます。トップ選手の誰もがシングルスに出たいと願う、格の高い大会です。
世界卓球の団体戦はシングルスのみで、各試合3選手が出場します。大会のエントリー枠は5名ですが、各試合には3名しか出場できません。
女子チームは中国に次ぐ世界ランク2位を維持しており、ゆえに決勝まで中国と当たらないことから準優勝するのが期待値になっています。
全日本選手権大会
早田ひな選手は2020年に涙のシングルス初優勝を達成してから、通算3度優勝、現在2連覇中です。
Tリーグ・リーグ戦
2022-2023シーズン
2023-2024シーズン
2024-2025シーズン
Tリーグ公式チャンネルにある早田ひな選手の動画集
YouTubeのTリーグ公式チャンネルが無料公開している試合動画の中から、早田ひな選手の動画をピックアップしました。
イベントカレンダー
2024年に開催予定の国際大会、国内大会のうち、早田ひな選手の出場対象になり得るものの一覧です。
女子シングルス世界ランキング
女子シングルスの世界ランキングの気になるところを分かりやすくまとめています。基本、毎月最終週の火曜日に更新しています。
世界ランキング制度
パリオリンピックの代表選手に選考されるには、国内選考会に集中すればいいという意見もありますが、現実には国内選考会と国際大会の両方で勝ち続けるしかありません。そして国際大会で勝てる選手は必然的に世界ランキングが上がります。勝てないと上がらないし、上げないと勝てないです。
代表選手選考基準・制度・国際大会
代表選手選考基準
パリオリンピック代表選手選考基準
パリオリンピック卓球競技の出場選手枠は3名ですが、うち2名の選出には世界ランキングを使わず、日本独自の選考ポイントを採用しています。3人目(団体戦要員)は強化本部の推薦です。
2023年世界卓球選手権の選手選考基準
2023年5月に開催された世界卓球選手権(個人戦)の選手選考には、パリオリンピック選考ポイントが使われました。
2023年アジア選手権大会の選手選考基準
2023年9月に開催されたアジア選手権大会の選手選考には、パリオリンピック選考ポイントが使われました。Tリーグ個人戦終了時のパリオリンピック選考ポイント上位5名がシングルスと団体戦に選出されました。
パリオリンピック選考ポイント付与対象であるシングルスの出場権を獲得したのは、早田ひな選手、平野美宇選手、伊藤美誠選手、木原美悠選手、佐藤瞳選手の5名です。
2022年アジア競技大会の選手選考基準【2023年開催】
2022年開催予定だったアジア競技大会は、開催国である中国の事情により2023年9月開催に変更されました。アジア競技大会の選手選考には、少し変わった方法が採用され、選考されたのは2022年春のことでしたが、その結果が2023年9月というオリンピック選考レース終盤に大きな意味を持つようになりました。
パリオリンピック選考レースで、2位3位が10.5ポイント差である時に、シングルスに出場できるのは早田ひな選手と平野美宇選手だけです。平野美宇選手はこのチャンスを活かして差を広げたいところでした。
2024年世界卓球選手権の選手選考基準
2024年2月に開催された世界卓球選手権(団体戦)の選手選考には、パリオリンピック選考ポイントが使われました。別途選考会を設けないで、ある時点のパリオリンピック選考ポイントの合計上位4名が選出されました。もう1名は強化本部の推薦でした。
合理的で公平性も担保されるし、代表監督の希望も反映された良い方式だと思います。
結果、選考ポイントランキング上位4名の早田ひな選手、平野美宇選手、伊藤美誠選手、張本美和選手に加えて強化本部推薦で木原美悠選手が選考されました。
2024年アジア選手権大会の選手選考基準
2024年10月にカザフスタンのアルマトイで開催されるアジア選手権大会の選手選考基準が公表されています。選考基準を満たした5名が選出されます。その選考基準は少し複雑です。
このアジア選手権大会の出場者は、2025年世界卓球選手権(個人戦)への出場権を獲得できるので(条件あり)、アジア選手権大会への出場権を逃すと世界卓球選手権(個人戦)が遠のきます。
オリンピック出場を決めている早田ひな選手、平野美宇選手、張本美和選手に加えて、アジア選手権2024代表選手選考会で優勝した大藤沙月選手が出場権を獲得しています。
残り1枠はアジア選手権大会エントリー締切日の14日前が含まれる週の、シングルス世界ランキング日本人最上位選手に付与されます。
もっと知りたい
スーパープレー集
早田ひな選手(とダブルスペア、混合ダブルスペア)のスーパープレーと印象的なシーンを集めました。動画は全て公式サイトのもので、権利関係が怪しいものは扱っていません。
シングルス編
ダブルス編
混合ダブルス編
早田ひな選手が優勝した大会
早田ひな選手が優勝した、2020年以降の国際大会と国内大会の一覧です。
主な対戦相手
2021年以降の国際大会、国内大会で、早田ひな選手がシングルスで対戦した主な選手を検索できます。
早田ひな選手と主な日本人選手との対戦成績
早田ひな選手と主な中国人選手との対戦成績
プロフィールと使用用具
ネット観戦するには
動画配信技術の開発とインフラの整備が進み、卓球の商業化の流れが加速した結果、卓球ファンにとって夢のような視聴環境が整ってきました。
この時代を生きていることに感謝しています。
特集記事
早田ひな選手推しの僕が生涯忘れられない試合
早田ひな選手推しの僕が生涯忘れることがないであろう試合をピックアップしました。ほとんど自分用ですが、「ああ、この試合は確かにそうだよね」と思ってもらえるものもあるはずです。
早田ひな選手が中国人トップ選手に挑んだ記録
早田ひな選手はパリオリンピックで中国人選手に勝って金メダルを獲得することを目標にしています。これはその過程で中国人トップ選手に挑んだ対戦の記録です。
早田ひな選手が大量ビハインドをひっくり返したゲーム
早田ひな選手は自身のことを「逆点の早田」と話しています。この記事では早田ひな選手が大量ビハインドをひっくり返して勝ったゲームを集めました。
自由研究
早田ひな選手がYGサーブを試合で普通に出すようになるまで
試合でYGサーブを出す女子選手は限られていますが、早田ひな選手はYGサーブの習得、実戦使用も目標にしているようです。これは早田ひな選手がYGサーブを試合で普通に出すようになるまでの記録です。
早田ひな選手の変形トマホークサーブとは
早田ひな選手は試合でたまにしゃがみ込みサーブを出しますが、一般的なそれよりあまりしゃがみ込まないでボールを打ちます。実況解説者のアダム・バブローは「Modified Tomahawk Serve」(変形トマホークサーブ)と表現しています。
早田ひな選手が武器にしているハイトスサーブ
極端に高く投げ上げるわけではないものの、早田ひな選手はハイトスサーブを試合に勝つための武器にしているはずです。
パリオリンピックの3位決定戦では、第5ゲームまではゲーム後半でしかハイトスサーブを出しませんでした。が、第6ゲームでは最初からハイトスサーブを出し続け、10-7で迎えたブロンズメダルポイントではハイトスロングサーブでエースして、銅メダルを決めました。