制度

2023年アジア選手権大会の選手選考基準

2023年9月に開催されるアジア選手権大会の選手選考には、パリオリンピック選考ポイントが使われます。別途選考会を設けないで、ある時点のパリオリンピック選考ポイントの合計上位5名が選出されます。

オリンピック選考レース開始後1年以上経過しており、選考ポイント上位5名を選出するのは納得性の高いものだと思います。そして、2023年アジア選手権大会のシングルスは選考ポイント付与対象なので、出場権を得られるかどうかはパリオリンピックを目指す選手にとって極めて重要です。

*アイキャッチ画像はテレビ東京卓球チャンネルからの引用です。

選手選考基準

日本卓球協会は2023年アジア選手権平昌大会日本代表選手選考基を公表しています。以下はその内容を噛み砕いたものです。

  • エントリー締切日の30日前における選考ポイント上位5名を、シングルスと団体戦のメンバーに選出します。
  • ダブルス種目の各2ペアは日本卓球協会強化本部が決めます。ダブルス種目のために、最大4名を上記5名以外から選出することがあります。
  • 混合ダブルスの1ペアの選出では、パリオリンピックの選手選考を見据えて日本卓球協会強化本部に大きな自由度と裁量権を与えます。

2023年アジア選手権大会の最終エントリーは7月23日なので、Tリーグ個人戦が最後の選考ポイント付与対象大会になりました。

次はTリーグ個人戦終了後の選考ポイント上位8名です。

Tリーグ個人戦終了後の選考ポイント上位8名

棄権者が出ない場合はこの上位5名で確定です。

選手選考結果

2023年6月30日に選手選考結果が発表されました。

団体戦

早田ひな選手、平野美宇選手、伊藤美誠選手、木原美悠選手、佐藤瞳選手の5名です。団体戦はシングルスのみで、各試合には3名しか出場できません。前記5名の中から当日の調子や対戦チームとの相性などを考慮して、渡辺監督がオーダーを決めます。

シングルス

早田ひな選手、平野美宇選手、伊藤美誠選手、木原美悠選手、佐藤瞳選手の5名です。出場選手が多いので、R128から始まりますが、早田ひな選手はR64からの登場になるはずです。

ダブルス

平野美宇選手/張本美和選手、木原美悠選手/長﨑美柚選手の2組です。予想通りみまひなペアはありませんでした。おそらくチームひなも渡辺監督も、早田ひな選手への負担を考慮してそう判断したのでしょう。

混合ダブルス

張本智和選手/早田ひな選手の「はりひなペア」のみ(1組)です。日本は2組までエントリーできるはずですが、意図的にしなかったようですね。それは選手選考基準に追記された次の内容の通りです。

アジア選手権が 2024 世界卓球選手権釜山大会(団体戦)アジア大陸予選会、2024 年パリオリンピック男子団体、女子団体、混合ダブルスのアジア大陸予選会を兼ねることになった。このことを踏まえて、アジア選手権の混合ダブルス出場ペアの選出方法は、第33回オリンピック競技大会(パリ2024)日本代表候補選手選考基準に従うこととし、エントリー最終日30日前の2024パリオリンピックシングルス選考ポイント男女上位2位までの選手と強化本部推薦男女各1名の中から1ペアを強化本部で決定する。(2023年6月16日追記)

引用:2023 年アジア卓球選手権平昌大会日本代表選手選考基準

ところが大会開催直前の8月23日に、篠塚大登選手/平野美宇選手の「しのみうペア」がエントリーしていることが分かりました。どうしてその判断に至ったのかは不明です。キャンセルされました。

アジア選手権大会の位置付け

日本卓球協会はアジア選手権大会を重要な国際大会に位置付けているようで、2023年アジア選手権大会はパリオリンピック選考ポイント付与対象です。

パリオリンピック選考ポイント表

世界選手権大会よりは少ないですが、国内選考会は1位で100ポイントですし、出場できるのはたったの5名なので選考レースに与える影響は大きいです。でも中国のトップ選手が5名出場するため、ベスト4に入るには最低でも中国人選手をひとり倒す必要があり、容易なことではありません。

優勝すると160ポイントも付与されますが、優勝するには中国のトップ選手を2人以上倒す必要があるでしょうから、その壁の高さは尋常ではありません。実質、勝ち進む難易度は世界選手権と変わらないですね。

しかも、2023年の国際大会のシングルスは「打倒中国ポイント」の対象なので、準決勝と決勝で中国のトップ3位以内の選手を倒して優勝すると付与される選考ポイントは180にもなります。(全試合5ゲームマッチです。)

現実問題としては、日本のトップ選手なら可能性が十分あるベスト4で80ポイント、最低限の目標となるベスト8で40ポイント付与されるわけですが、そもそも代表権がなければ可能性はゼロです

早田ひな選手は世界選手権の準々決勝で王芸迪選手との激闘を制してベスト4入りしました。おそらく世界選手権の時と同じで準々決勝で中国のトップ選手と当たり、そこで勝てればベスト4確定で80ポイント(倒した相手がWR上位3名以内なら90ポイント)獲得できます。ここがチームひなの最低限の目標になると思われます。

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