制度

2022年アジア競技大会の選手選考基準【2023年開催】

2022年開催予定だったアジア競技大会は、開催国である中国の事情により2023年9月開催に変更されました。4年に一度開催されるアジア競技大会は「アジア版オリンピック」と呼ばれており、卓球競技は実施種目のひとつです。

アジア競技大会の選手選考には、少し変わった方法が採用されました。選考されたのは2022年春のことでしたが、その結果が2023年9月というオリンピック選考レース終盤に大きな意味を持つようになりました。

特に平野選手と伊藤選手にとっては、あの時のあのプレーが、と思い返されるものになったはずです。

*アイキャッチ画像はTBS特設サイトからの引用です。

選手選考基準

日本卓球協会は2022年1月に2022年アジア競技大会日本代表選手選考基準を公表しました。以下はその内容を噛み砕いたものです。

  • 第1回パリオリンピック選考会優勝者。
  • アジア競技大会選考会の上位4名。
  • 団体戦は上記代表選手5名。
  • シングルスの代表は第1回パリオリンピック選考会優勝者と、アジア競技大会選考会の優勝者の2名。
  • 男子ダブルス2ペア、女子ダブルス2ペア、混合ダブルス2ペアの各種ペアは強化本部にて決定する。
  • 代表決定者が辞退および故障等で参加が不能となった場合、その代替選手は強化本部で決定する。

選考基準を満たした選手

第1回パリオリンピック選考会優勝者

早田ひな選手は第1回パリオリンピック選考会で、長﨑美柚選手との死闘を制して優勝したことで、アジア競技大会の代表権とシングルス出場資格を得ました。第1回パリオリンピック選考会の優勝者には多くの特典が与えられたのですが、これはそのひとつでした。

アジア競技大会選考会上位4名

アジア競技大会の出場枠5名のうちの残る4名を選出するための選考会が、第1回パリオリンピック選考会の1ヶ月後に、無観客で開催されました。

  • 第1回パリオリンピック選考会の2位から8位の長﨑美柚選手、木原美悠選手、佐藤瞳選手、伊藤美誠選手、石川佳純選手、橋本帆乃香選手、平野美宇選手。
  • さらに強化本部推薦で加藤美優選手を加えた8名。
  • 長﨑美柚選手が大会直前に体調不良で棄権したため代わりに南波侑里香選手が出場。

上記8名を次の2グループに分けてリーグ戦を行いました。

  • グループA:木原美悠選手、伊藤美誠選手、橋本帆乃香選手、加藤美優選手
  • グループB:佐藤瞳選手、石川佳純選手、平野美宇選手、南波侑里香選手

1位通過は木原美悠選手、平野美宇選手、2位通過は伊藤美誠選手、佐藤瞳選手でした。1位通過した選手が決勝戦を行い、平野選手が優勝しました。

選考結果

伊藤美誠選手と佐藤瞳選手が辞退したため(詳細非公表)、代わりに長﨑美柚選手と張本美和選手が選出されました。

なお、伊藤選手と佐藤選手の辞退は今大会が2023年に延期される前に決まっていたようです。

団体戦

早田ひな選手、平野美宇選手、木原美悠選手、長﨑美柚選手、張本美和選手の5名です。団体戦はシングルスのみで、各試合には3名しか出場できません。前記5名の中から当日の調子や対戦チームとの相性などを考慮して、渡辺監督がオーダーを決めます。

シングルス

早田ひな選手と平野美宇選手の2名です。ふたり共R32からの登場になるはずです。

ダブルス

平野美宇選手/長﨑美柚選手、木原美悠選手/張本美和選手の2組です。日本卓球協会は意図的に異なるペアリングを試しているようですね。

混合ダブルス

張本智和選手/早田ひな選手、戸上隼輔選手/木原美悠選手の2組です。

アジア競技大会の位置付け

日本卓球協会はアジア競技大会を重要な国際大会に位置付けているようで、2022年アジア競技大会はパリオリンピック選考ポイント付与対象でした。

パリオリンピック選考ポイント表

アジア選手権大会の半分ですが、2023年の大会はポイントが倍になっていることから、日本卓球協会はアジア競技大会には価値アジア選手権大会と同等の価値があると見ているようです。実際にはアジア競技大会はシングルスの出場枠が2しかないため、上位進出の難易度は低くなります。

そして2022年に開催予定だったものが2023年9月に変更になりましたが、

  • 付与される選考ポイントは同じ。(2倍にしない。)
  • 打倒中国ポイントの付与対象外。

です。この判断には賛否両論あるでしょうね。

早田ひな選手が第3シードで出場すると、中国人選手には準決勝まで当たりません。絶対にそこまで勝ち上がって、中国人選手を倒して決勝に進むのがチームひなの目標になると思われます。

アジア競技大会の注目点

アジア選手権大会終了時点で、選考レース2位の平野美宇選手を約10ポイント差で伊藤美誠選手が追っています。アジア競技大会で選考ポイントを上積みできるのは早田ひな選手と平野美宇選手だけなので、平野美宇選手はこのチャンスを活かして伊藤美誠選手とのポイント差を広げたいところです。

平野美宇選手はシード的に準々決勝で1/2の確率で中国人選手と当たります。中国人選手に当たるまでは絶対に勝ち上がりたいですね。

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