東京オリンピック選考レースでは、圧倒的な強さを見せた伊藤美誠選手が早い段階で1位抜けを確定させ、石川佳純選手と平野美宇選手が最後の最後まで激しい2位争いを続けました。早田ひな選手も東京オリンピックへの出場を目指していましたが、実力不足で届きませんでした。
でもその悔しい経験があったからこそ、東京オリンピック後の覚醒、飛躍、ぶっちぎりの1位でのパリオリンピック選考レースにつなげることができたはずです。
この記事では早田ひな選手が挑んだ東京オリンピック選考レースを振り返ります。
*アイキャッチ画像は早田ひな選手のXポストからの引用です。
東京オリンピック代表選手選考基準
日本卓球協会は2018年9月22日に東京オリンピック代表候補選考基準を公表しました。次はその要点です。シンプルです。
- 2020年1月発表の世界ランキング日本人上位2名を、シングルス代表候補にします。
- 世界ランキングに重複がある場合はワールドツアーの優勝回数などで判断します。
- 3枠目の団体戦要員は、シングルス代表候補選手とダブルスが組め、団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍が期待できる選手を強化本部が決定します。
選考基準が発表されたのが2018年9月22日で、世界ランキング(WR)の対象となるのが2019年12月末ですから、選考期間は1年3ヶ月かと言うと、そうではありません。選考レース開始時に保有しているWRポイントが高い選手の方が有利なので、その意味では選考レースは1年以上前から始まっていたと考えるのが妥当です。
選考レース期間における世界ランクとWRポイントの推移
次は2018年1月から2020年1月までの2年間における、世界ランクの推移です。早田ひな選手、伊藤美誠選手、石川佳純選手、平野美宇選手だけ載せています。
- 石川佳純選手は首位を独走していたものの、徐々に順位を落とし、残り4ヶ月という時期に伊藤美誠選手に抜き去られてしまいました。
- 伊藤美誠選手は選考レース終盤で首位独走を確かなものにしました。
- 平野美宇選手は石川佳純選手と最後まで2位争いを続けましたが、一歩及びませんでした。
- 早田ひな選手は努力が成果につながらない時期が続き、上位3名の争いに加わることができませんでした。
次は同じ期間におけるWRポイントの推移です。
WRポイントは1年で失効するので、出場した大会で結果を出して稼ぎ続けなければ徐々に減っていきます。
現実を受け入れるなら、試合に勝って高いWRポイントを保有できた選手が強いということです。
選考レース結果
次は2020年1月発表のWRとWRポイントです。
- 伊藤美誠選手はWR3位でWRポイントもダントツでした。
- 最後の最後まで決着が分からなかった、石川佳純選手と平野美宇選手の2位争い、わずか135ポイント差で石川佳純選手が勝ちました。
- 日本人3位と4位の間には大きなポイント差がありました。
- 早田ひな選手はWR23位で日本人6位でした。実力不足を痛感させられる結果になりました。
この結果により伊藤美誠選手と石川佳純選手がシングルス代表権を獲得しました。そして団体戦要員は石川佳純選手とのダブルスのペアリングを考慮して(選考レースの結果から見ても順当に)平野選手が選出されました。
選考結果発表会見です。ここで平野選手の選出が発表されました。
東京オリンピックはリザーブメンバー
早田ひな選手は東京オリンピック代表選手発表後の全日本選手権大会で初優勝し、狙っていたリザーブメンバーに選出されました。
このリザーブメンバーとして東京オリンピックに帯同したことで得られた経験は、とても貴重なものだったと機会あるごとに振り返っています。
卓球日本代表選手の皆さんメダル獲得おめでとうございます😊🎉
今回リザーブとして東京オリンピックを経験させていただき沢山の事を感じる事が出来ました。今の気持ちをメモにしましたのでお時間がありましたらぜひ読んで下さい🐣 pic.twitter.com/NXEAB3xd20
— 早田ひな (@hayata_hina) August 6, 2021
舞台裏に触れた記事。
東京オリンピック後に覚醒
早田ひな選手は、開催が1年延期された東京オリンピック後に覚醒しました。そしてパリオリンピック選考レースは一度も首位の座を譲ることなく、ダントツの1位でシングルス代表権を獲得しました。また、頼れるパートナーに恵まれて、はりひなペアで混合ダブルス代表にも選出されました。