卓球には流れがあって、実力が拮抗した選手同士の対戦であっても、連続得点・連続失点が普通に見られます。そして誰もがこの得点差をひっくり返すのは無理だろうと思ったところから、逆点することも珍しくありません。
それは早田ひな選手の試合にも言えます。この記事では早田ひな選手が大量ビハインドをひっくり返して勝ったゲームを集めました。
*アイキャッチ画像は世界卓球代表選手記者会見からの引用です。
逆点の早田(または逆転の早田)
世界卓球2024釜山大会の代表合宿中に、ナショナルトレーニングセンターで開かれた記者会見で、早田ひな選手は「世間からは逆点の早田と呼ばれている」「3-10からが一番最高で挽回した」と話していました。
3-10にはかないませんが、他にも負けかけのゲームを逆点で取ることは良くあります。でもファンの心臓に悪いので、できれば改善して欲しいところです。
逆転か逆点か
日本語としては、一般的には「逆転」が正しいようですが、卓球の試合での話なら「逆点」でもいいと思っています。
3-10から逆点して勝ったゲーム
WTTカップファイナルズ2021 R16
鄭怡静選手との対戦の第3ゲーム。
第3ゲーム、ラリー戦に負ける回数が増えて3-10と大量リードでゲームポイントを握られます。卓球とは怖い競技で、ここから流れが変わり7連続得点で10-10のデュースになります。11-12をサービスエースでしのぎ、最後ラリー2本をものにして14-12で取ります。実況のアダムが良く言います。Anything is possible.
このゲームを落としていたら危なかったです。
フル動画、第3ゲーム3-10から。
混合団体ワールドカップ2023 S2-2
ベリストレム選手との対戦の第1ゲーム。
第1ゲーム、ベリストレム選手のボールに合わせられずにミスが目立ち、甘いボールを強打されて3-10とゲームポイントを握られてしまいます。このゲームはしょうがないので1本でも多くレシーブして早く順応するのがいいと思いましたが、そこから驚異的な粘りを見せて9連続得点し、12-10でこのゲームを取ります。このゲームを逆点で取れたのはとんでもなく大きかったです。
フル動画、第1ゲーム3-10から。
4-10から逆点して勝ったゲーム
2023年全日本選手権大会 R16
張本美和選手との対戦の第2ゲーム。
第2ゲーム、早田選手がミドルを攻められて苦戦する展開になり、4-10と大量リードでゲームポイントを握られてしまいます。が、ここからラリー戦を制してデュースに持ち込み、最後はサイドを切るようなバックハンドを決めて14-12でこのゲームも取ります。石田コーチの雄叫びが何度も東京体育館に響き渡ります。
負けてもおかしくない試合でした。特に第2ゲームを逆転で取れたのが大きかったです。
フル動画、第2ゲーム4-10、0:47:00あたりから。
3-9から逆点して勝ったゲーム
2022年アジア競技大会シングルス準々決勝【2023年開催】
鄭怡静選手との対戦の第6ゲーム。
ゲームカウント3-2で迎えた第6ゲーム、早田選手のミスが増え、鄭怡静選手に攻められて3-9と大量リードされてしまいます。誰もが最終ゲームを見据えてこのゲームをどう進めるか考えるところ、ここから脅威の粘りを見せます。やっとボールとの距離感をつかんだのか、6連続得点して9-9と追い付きます。チキータレシーブからのラリー戦を制して10-9として吠えます。最後、苦しめられてきたロングサーブを回り込んでフォアハンドでミドルを攻めてからのラリー戦を制して11-9で取り切り、激戦をものにしました。勝利の瞬間、早田選手は両手拳を振りながらしゃがみ込みましたが涙はなく、ひなスマイルを炸裂させました。
ハイライト、第6ゲーム3-9から。