国際大会

早田ひな選手が出場した世界卓球選手権大会(個人戦)

世界卓球は選手にとっても日本卓球協会にとっても特別な大会です。個人戦と団体戦が毎年交互に開催されています。どちらも選手にとって重要です。

個人戦ではシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目が実施されます。トップ選手の誰もがシングルスに出たいと願う、格の高い大会です。でもその選考基準はかなり厳しいです。

*アイキャッチ画像は世界卓球ダーバン大会特別サイトからの引用です。

世界卓球選手権大会(個人戦)

  • 世界卓球選手権は個人戦と団体戦が毎年交互に開催されています。奇数年は個人戦、偶数年は団体戦です。
  • 日本卓球協会がオリンピックに次ぐ重要な国際大会と位置付けており、選手選考・選手団の派遣には別格のリソースを投入しています。
  • 個人戦はシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
  • 日本人のシングルス出場枠は5名。
  • シングルスはRound 128から、ダブルス種目はRound 64から(ともに予選なし)と出場人数、試合数が多い。
  • シングルスは7ゲームマッチ、ダブルス種目は5ゲームマッチ。
  • 同一種目は同日には1試合しか行われない日程が組まれています。
  • 優勝選手には2000ポイントが付与されます。(オリンピック、グランドスマッシュと同じ。)

付与されるWRポイント

WTTシリーズを含む国際大会で付与されるWRポイント一覧です。優勝すると2,000ポイント付与されますが、中国トップ選手5名を含む世界の強豪が集うので、優勝の難易度はWTTグランドスマッシュ並みに高いです。

付与されるWRポイント一覧

 出典:ITTF TABLE TENNIS WORLD RANKING REGULATION

WTTグランドスマッシュとの違い

WTTグランドスマッシュはWTTシリーズ最上位大会で、優勝時のWRポイントが2,000と世界卓球大会個人戦と同じです。が、両者には大きな違いがあります。

WTTグランドスマッシュと世界卓球大会個人戦の違い

伝統のある世界卓球に対し、グランドスマッシュは興行面を重視して制度設計したと思われます。

  • 優勝時のWRポイントが2,000もある最上位大会を年間最大4回開催可能としている時点で、ITTFが管轄している世界卓球と違う方向性を志向しているのは明らかです。
  • が、グランドスマッシュは2022年、2023年にシンガポールで1回開催されただけでした。(大会開催に1億円以上かかるのが要因との噂あり。)2024年は3回開催する予定とされています。
  • グランドスマッシュはシード数が16しかないため、ドローゲーム(ドロー運が占める要素が非常に強い)になっています。世界卓球は32あるので、相対的にひどいドローになりにくい印象です。
  • WTTが意図的にアップセット(波乱、下剋上)を増やすため、グランドスマッシュの7ゲームマッチを準々決勝以降に制限しています。世界卓球は全試合7ゲームマッチです。僕はシングルスは全試合7ゲームマッチがいいと思っています。
  • 世界卓球は初戦に限り同一協会からの選手が対戦しないようにドロー調整を行います。グランドスマッシュにはその配慮はありません。

厳しい選考基準

シングルス

世界卓球選手権大会(個人戦)のシングルスの選考基準はかなり厳しいです。2年に1回奇数年に開催されますが、オリンピックイヤー(偶数年)の翌年だと、オリンピック団体戦でメダルを獲得した3名が自動的に選出されるため、残りは2枠しかないのが普通です。2021年のヒューストン大会では、その2枠を24名で争う選考会が実施されました。

2023年のダーバン大会では、ある時点のパリオリンピック選考ランキング上位5名が選出されました。一発勝負の選考会で決まるよりは納得感がありますが、上位5名に入るには安定した成績を残しておく必要があり、厳しいことは変わりません。

2025年のドーハ大会へのシングルス出場権は、2024年10月に開催されるアジア選手権大会のシングルス出場選手に付与されます。2024年はオリンピックイヤーなので、オリンピック出場選手3名が自動的にアジア選手権大会のシングルス出場権を獲得します。残り2枠の選考基準も過酷です。

つまり、2025年の世界卓球選手権大会(個人戦)のシングルス3枠は、2024年2月初旬には埋まっているということです。

ダブルス、混合ダブルス

(女子選手から見て)ダブルス、混合ダブルスは最大2ペアずつ出場できます。シングルスに選出された男女計10名に加えて最大4名程度、ダブルス競技のために強化本部が選出することがあります。ダブルス、混合ダブルスの実力・実績もあり出場を狙う選手は、当然シングルスの出場権を得てさらにダブルス競技でも選考されることを目指すはずです。2021年ヒューストン大会以降の早田ひな選手は、間違いなくそれを目標にしてきたことでしょう。

早田ひな選手が出場した世界卓球選手権大会(個人戦)一覧

世界卓球2021ヒューストン大会(2021年11月23日から29日)

  • 早田ひな選手は今大会初めて、世界卓球のシングルス代表として出場しました。
  • シングルスはR16で王芸迪選手に勝てませんでした。王芸迪選手は中国の二軍だと言われていましたが、その実力は世界トップクラスでした。目標が増えました。
  • ダブルスは2年前の世界卓球決勝で負けた孫穎莎/王曼昱ペアとの再戦となり、リベンジに燃えたみまひなペアでしたが2年の間に孫穎莎/王曼昱ペアも成長しており、勝たせてもらえませんでした。
  • 混合ダブルスは準決勝で林高遠/リリーペアを倒して決勝に進みましたが、王楚欽/孫穎莎ペアには歯が立ちませんでした。
  • シングルスは厳しい結果でしたが、ダブルス、混合ダブルスでは銀メダルを獲得し、個人としても日本選手団としても胸を張れる成績を残せました。

世界卓球2023ダーバン大会(2023年5月20日から28日)

  • 早田ひな選手は2021年のヒューストン大会に続いて、2度目のシングルス代表として出場しました。
  • シングルスは準々決勝で王芸迪選手との死闘を制して準決勝に進みましたが、孫穎莎選手に負けてベスト4(銅メダル)でした。僕はこの試合で繰り広げられた死闘を生涯忘れません。
  • ダブルスは準々決勝で陳夢/王芸迪ペアに敗れてベスト8でした。
  • 混合ダブルスは準決勝で林詩棟/蒯曼ペアに勝ち、決勝で王楚欽/孫穎莎ペアとの再戦を果たしましたが、あっけなく敗れて準優勝でした。

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