パリオリンピック前に世界ランクを上げたい選手への配慮から、WTTは5月から6月にかけて大会を数多く開催しました。このWTTコンテンダーリオデジャネイロと同一日程でWTTコンテンダー太原が開催されており、選手はどちらに出場するか難しい選択をしました。
早田ひな選手(と張本智和選手)はリオデジャネイロを選択し、シングルスと混合ダブルスに出場しました。シングルスは決勝で長﨑美柚選手に悔しい逆転負けを喫して準優勝でしたが、収穫の大きな大会になりました。
混合ダブルスは決勝で林鐘勳/申裕斌ペアに完敗し、大きな課題を残す結果になりました。
*アイキャッチ画像はテレビ東京卓球情報のXポストからの引用です。
WTTコンテンダー
- シニア向けWTTシリーズの最下位大会です。(WTTフィーダーシリーズはWTTシリーズではありません。)
- 年間最大14大会開催可能です。
- 本戦4日、予選2~3日の日程で選手によっては1日に4試合に出場します。
- シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
- シングルスの本戦は32名、うち8名は予選を通過した選手。
- 予選人数は48、64、96名から開催国が選択します。
- ダブルス、混合ダブルス本戦16ペア、うち4ペアは予選を通過したペア。
- シングルスは各協会から4名までしか出場できません。(世界ランク20位以内の選手を除きます。)また世界ランク21位以降の上位者から優先出場となっています。
- 世界ランク20位以内の選手は、全体で3名しか出場できません。ホスト国はその3名を選ぶ裁量権を持ちます。
- 世界ランク20位以内の選手への出場制限(PDR)は、今大会は適用外です。
- ワイルドカード枠3名、WTT推薦枠1名は上記制限の対象外。
- シングルスのシード数は8。
- シングルスの決勝のみ7ゲームマッチ、他はすべて5ゲームマッチ。
- 優勝選手には400ポイントが付与されます。
WTTコンテンダーリオデジャネイロ2024
- 期間:5月20日から26日
- 場所:ブラジルのリオデジャネイロ(日本との時差12時間、現地10:00が日本の22:00)
- 出場種目:シングルス、混合ダブルス
- 参照:WTT公式サイト、日本卓球協会の公式サイト
ネット中継
- WTTがYoutubeチャンネルでT1からT4をリアルタイム配信しました。
- テレビ東京卓球チャンネルは本戦3日目(シングルスの準々決勝以降)からT1をリアルタイム配信しました。
- 本戦2日目(日本では日付が変わって土曜日)のT1の試合、WTTが間違って視聴制限をかけてしまい、日本では視聴できませんでした。最悪です。本来不要な視聴制限により、リアルタイム視聴できなくなるなんてことが二度とないようお願いします。
- テレビ東京卓球チャンネルはアーカイブの公開が迅速なのですが、今大会は(同時開催のWTTコンテンダー太原も)極端に遅かったです。期待していただけに残念でした。
選手の選択
WTTコンテンダーリオデジャネイロとWTTコンテンダー太原は同一日程で開催されました。出場を希望する選手は選手はどちらかを選択することになりましたが、その判断は難しかったはずです。
- 太原(中国)には中国人選手が数多く出場するはず。一方のリオには中国人選手は出場しないはず。
- 予想としてはリオの方が強豪選手が少なく上位進出しやすいです。
- リオは地球の反対側にあり、移動に40時間程度かかるので負担が大きいです。2023年の大会では、往路に40時間、帰路は台風の影響もあって(最初にホテルを出てから)100時間かかったそうです。
- 太原は標高が800mあり、気圧が低く空気抵抗が少ないため卓球のボールが平地より飛ぶと言われています。標高1,500mの蘭州ほどではないにせよ、順応するのに苦労する選手も出てきそうです。
- 4日後に開催されるWTTチャンピオンズ重慶(中国)に出場する選手の場合、リオから中国に移動してすぐ大会を迎えるというのは条件的にとても厳しいです。
はりひなペアは積極的に対象大会に出場する意思があったことから、行動を共にする必要がありました。日本卓球協会に相談した上でリオを選択したはずです。
リオデジャネイロを選択した日本人選手
女子は早田ひな選手、長﨑美柚選手、森さくら選手、佐藤瞳選手、橋本帆乃香選手が出場しました。
男子は張本智和選手、戸上隼輔選手、田中佑汰選手が出場しました。
太原を選択した日本人選手
女子は張本美和選手、伊藤美誠選手、平野美宇選手、木原美悠選手が出場しました。
男子は松島輝空選手、篠塚大登選手、及川瑞基選手が出場しました。
シングルス出場選手
本戦から出場する24名の顔ぶれです。早田ひな選手はWR5位で第1シードでした。
エントリーから考えて、早田ひな選手には優勝が求められる大会でした。
シングルス:準優勝
順当なら決勝で長﨑美柚選手か申裕斌選手と当たるドローでした。
引用:テレ東卓球情報のXポスト
このエントリーとドローなら優勝が求められます。早田ひな選手は日本の最強カットマン2名を連破して勝ち上がりましたが、決勝で長﨑美柚選手に悔しい逆転負けを喫し、準優勝でした。
Round 32(1回戦)
チリのパウリナ・ベガ選手との対戦でした。40歳、左利きの選手です。予選を勝ち上がってきました。
快勝でした。
- 第1ゲーム、早田選手が相手の様子を探りながらも、安定したプレーでリードを広げる展開が続きます。危なげなく11-3でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、序盤2-5とリードを許すも5-5で追い付きます。早田選手は調整不足の時に見せるお決まりのミスがありません。11-6でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、早田選手にややミスが出て6-6まで競りますが、そこから一気に引き離して11-6で勝ち切りました。9-6の場面では最近試合で使うようになったトマホークサーブを試す余裕を見せました。
早田ひな選手は自身の調子を確かめるようにプレーしていたと感じました。
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Round 16(2回戦)
佐藤瞳選手との対戦でした。実力は高いのに世界ランクが低いため、予選からのエントリーでした。意外ですが、2年半以上対戦がありませんでした。
苦戦しましたが、しっかり勝ち切ることができました。良かったです。非常に見応えのある試合でした。
- 第1ゲーム、接戦で4-4まで競りますが、佐藤選手のボールに順応できず4-8と大量リードを許します。バックハンドによるロングサーブにも苦しめられます。7-10とゲームポイントを握られますが、そこから粘ってデュースに持ち込みます。10-10から佐藤選手が焦って回り込みフォアハンドドライブをミス、最後サーブからの展開でフォアハンドの連打で攻め、12-10でこのゲームを取ります。劣勢だった第1ゲームを逆転で取れたのは大きかったです。
- 第2ゲーム、佐藤選手のボールに慣れてきたのか早田選手がリードを保つ展開になります。サーブレシーブに、特にバックハンドで打つロングサーブに難儀しますが、逆転を許すことなく11-8でこのゲームも取ります。早田選手のプレーは安定していて、大きく崩れそうにありません。
- 第3ゲーム、追い込まれた佐藤選手が早めに攻撃に転じたことで3-7とリードを許します。そこから厳しいコースに打ち分けて得点を重ね、ついに苦しめられてきたバックサイドへのロングサーブにも回り込みフォアハンドドライブで対応して9-9と追い付きます。最後サーブからの展開2本、フォアハンドドライブを打ち込んで11-9で勝ち切りました。
僕は、スウェーデンを代表するカットマンであるリンダ・ベルストレム選手に苦しめられたこの試合で得たもの、その後対策練習したであろうことが活かされた試合だったと考えています。
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ハイライト。
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準々決勝
橋本帆乃香選手との対戦でした。日本を代表するカットマンで、近年は攻撃に転ずるのが早くなっている難敵です。2022年全日本選手権大会でも苦戦を強いられました。
佐藤瞳選手同様、実力は高いのに世界ランクが低いため、予選からのエントリーでした。
難しい試合でしたが勝てて良かったです。
- 第1ゲーム、橋本選手の早い攻撃とサービスエースで3-8と大量リードを許します。その後ようやくカットマン対攻撃マンのラリーが増えますが、カット打ちにミスが続いて6-11でこのゲームを落としてしまいます。修正しないとまずいです。
- 第2ゲーム、レシーブが良くなりラリー戦が増えることで早田選手がリードを広げる展開になります。ラリー戦では橋本選手のドライブをブロックでしのいで得点につなげるパターンが繰り返されます。橋本選手はドライブ攻撃に切り替えるのが非常に早いです。安定したプレーで11-4でこのゲームを取り返します。
- 第3ゲーム、接戦で9-8まで競ります。勝負どころで失点しなかった早田選手に対し、橋本選手が攻撃を焦ってミスになり、11-8でこのゲームも取ります。内容的には互角の勝負です。
- 第4ゲーム、体力を削られる苦しい展開が続きますが、なんとかリードを保ちます。10-7でマッチポイントを握ってから2点差まで追い上げられますが、なんとか11-9で逃げ切りました。
スコア以上に苦しい試合でした。近年強化してきたブロックに救われたシーンが何本もありました。橋本帆乃香選手、強かったです。
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ハイライト。
準決勝
ブラジルのブルーナ・タカハシ選手との対戦でした。ブラジルのエース、初対戦です。
大きなラリー戦にしない戦術が功を奏し、快勝でした。
- 第1ゲーム、精度の高いプレーで流れをつかみ、早田選手がリードを広げる展開になります。早田選手は仕上がりが良く、狙い通りのプレーができている印象です。タカハシ選手のいいところを出させずに11-1でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、タカハシ選手が対応して、打たせてからのカウンター攻撃が決まるようになり、競った展開が続きます。それでも早田選手はサーブのコントロールが良く、試合の主導権を放すことなく11-7でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、第1ゲームからサーブもサーブ・レシーブも大きなラリーを避ける戦術を取り続けます。時々レシーブが甘くなったボールを痛打されて失点しますが、試合の主導権を握ったままリードを広げます。危なげなく11-5で勝ち切って、(先に準決勝を終えていた)長﨑美柚選手が待つ決勝戦に進みました。
この試合ショートサーブを主体にし、チキータレシーブはしませんでした。タカハシ選手が得意とする、大きなラリー戦になる前に仕留める戦術が奏功しました。
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この試合のスーパープレー。
決勝
長﨑美柚選手との対戦でした。パリオリンピック選考期間中の対戦が多く、2024年全日本選手権大会の準々決勝でも対戦しています。
今大会の長﨑美柚選手は絶好調で、1ゲームも落とさずに決勝まで勝ち上がってきました。
今日の早田ひな選手は詰めが甘く、長﨑美柚選手に逆転負けを喫してしまいました。
- 第1ゲーム、早田選手にややミスが目立ちますが、サーブ時の得点率が高く点差が開かない展開が続きます。レシーブはバックハンド主体で攻めています。6-6から流れをつかんで引き離し、11-7でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、早田選手が精度の高いプレーで流れをつかみ、リードを広げる展開が続きます。危なげなく11-2でこのゲームも取ります。ストレート勝利もあるかと思えましたが、甘かったです。
- 第3ゲーム、今日はフォアサイドに振られた時の対応が悪く勝負どころで失点します。技術の選択ミスかなと思うプレーも何度かあり、7-11でこのゲームを落とします。
- 第4ゲーム、悪い流れを断ち切れずリードを許す展開になります。早田選手のミスが増え、自滅する形で8-11でこのゲームも落としてしまい、ゲームカウントは2-2になります。今日の早田選手は戦術転換が遅いです。
- 第5ゲーム、早田選手らしくないプレーを連発して流れを渡してしまい、余裕ができた長﨑選手に攻め込まれて失点する悪いパターンに陥ります。5-9からトマホークサーブを試しますが通用せずゲームポイントを握られ、最後バック対バックのラリー戦を落として7-11でこのゲームも落とします。中国四天王との対戦とコンディション不良時を除いて、こんなに試合をコントロールできない早田選手を見るのは久しぶりです。
- 第6ゲーム、修正して序盤リードしていたものの7-5と追い上げられてタイムアウトを取ります。日本人対決なのでベンチは無人です。何とか悪い流れを断ち切って11-5でこのゲームを取り、勝負は最終ゲームへ。
- 最終第7ゲーム、ようやくプレーが安定し、長﨑選手のミスにも助けられてリードを広げる展開になります。9-4と大量リードしたものの、詰めが甘く2点差まで追い上げられます。ここで長﨑選手にサーブミスが出て勝負あったかと思いましたが、長﨑選手は崩れませんでした。逆に早田選手にミスが出てデュースに持ち込まれます。勢いのある選手相手に勝率の下がっていた技術を使い続けて連続失点し、10-12で大いに悔いの残る敗戦となりました。
眠れなくなるほど悔しい逆転負けを喫しましたが、パリオリンピック本番に向けて大きな学び・収穫があったはずです。
フル動画。
ハイライト。
表彰式。
試合結果を伝える記事。
テレビ東京制作の公式動画。
この試合のスーパープレー。
混合ダブルス:準優勝
本戦から出場する12ペアの顔ぶれです。はりひなペアは第1シードでした。
パリオリンピックの第2シードを取りたいはりひなペアにとって、今大会の目標は優勝でした。韓国の林鐘勳/申裕斌ペアより先に負けるようでは第2シードがさらに遠のきます。そうでなくても非常に厳しい状況です。
調子が上がらない中なんとか決勝まで進みましたが、林鐘勳/申裕斌ペアに完敗し、大きな課題を残す結果になりました。
Round 16(1回戦)
チタレ/シャーのインドペアとの対戦でした。
スコア以上に苦戦を強いられた、危ない試合でした。
- 第1ゲーム、はりひなペアにとって有利なローテーション、流れをつかんで6-0と大量リードしたものの、そこからインドペアに攻め込まれ(はりひなペアの弱点があらわになり)、6-7と逆転されてしまいます。その後9-7としたものの、チタレ選手の強打を止められず9-11でこのゲームを落としてしまいます。これははりひなペアが負ける時のパターンです。
- 第2ゲーム、苦しみながらもなんとか得点できる方法を見つけ、11-6でこのゲームを取り返します。
- 第3ゲーム、ペアとしての調子は良くないものの、我慢のプレーで11-6でこのゲームも取ります。
- 第4ゲーム、流れをつかんでリードを広げる展開になり、11-4で勝ち切ります。このゲームでやっとインドペアのボールに順応できた印象ですが、
試合全体を通してサービスエースに頼りすぎの感がありました。今日は弱い時のはりひなペアで、この状態では決勝まで勝ち上がれるとは思えないです。準々決勝では吹っ切れたプレーが見たいです。
フル動画。
ハイライト。
準々決勝
マドリッド/コッシオのメキシコペアとの対戦でした。予選を勝ち上がって来たペアです。
調子が上がらず苦戦しましたが、なんとか勝てました。
- 第1ゲーム、はりひなペアにとって有利なローテーション、接戦で点差が開かない展開が続きます。はりひなペア、ややミスが多いです。相手ペアのミスにも助けられ、なんとか13-11でこのゲームを取ります。流れは良くないです。
- 第2ゲーム、第1ゲーム同様ミスが目立ち、接戦になります。10-9と先にゲームポイントを握りますがデュースに持ち込まれ、10-12でこのゲームを落とします。
- 第3ゲーム、悪い流れのまま9-9まで競ります。本来のはりひなペアの状態ではないです。それでもなんとか11-9で取ってゲームカウントを2-1にします。
- 第4ゲーム、ようやくミスが減り、コース選択が良くなってリードを広げる展開になります。最後は相手ペアの追い上げを振り切って、11-7で苦しい試合をものにしました。
第3ゲームまでの状態だと、負けてもおかしくなかったです。勝てて良かったです。
フル動画。
ハイライト。
準決勝
カールソン/C・シェルベリのスウェーデンペアとの対戦でした。
第1ゲームは良くない流れで落としますが、第2ゲーム以降ミスが減って勝つことができました。
- 第1ゲーム、はりひなペアにとって有利なローテーション、ミスが多くリードを許す展開が続きます。強打されて失点するのはいいとして、相手ペアを楽にさせるミスはいけません。7-11であっさりとこのゲームを落とします。
- 第2ゲーム、突然スイッチが入ったかのように動きが良くなり、リードを保つ展開になります。(今大会はなかった)はりひなペアらしい動きが戻って11-5でこのゲームを取り返します。
- 第3ゲーム、序盤は競った展開になりますが、途中から抜け出して11-5でこのゲームも取ります。勝負どころの打ち合いで得点できるようになってきました。
- 第4ゲーム、いい時のはりひなペアらしい動きでリードする展開が続きます。体勢を崩されながらも厳しいコースに返球して得点につなげます。危なげなく11-4で勝ち切り、決勝進出を手にしました。
何をきっかけにしたのかは分かりませんが、復調できて良かったです。
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決勝
林鐘勳/申裕斌の韓国ペアとの対戦でした。シンガポールスマッシュ2024の準決勝でも対戦しています。
完敗でした。
- 第1ゲーム、はりひなペアにとって不利なローテーション、強敵の韓国ペア相手にこんなにミスが多いと試合になりません。3-11であっさりこのゲームを落とし、韓国ペアをさらに勢いづかせます。
- 第2ゲーム、早田選手のサーブが林鐘勳選手に効かず、チキータ一発で抜かれる、申裕斌選手のサーブのレシーブが甘くなったところを林鐘勳選手に強打されるなど、過去の対戦で負けた時のままのシーンが繰り返されます。林鐘勳選手が強すぎますが、申裕斌選手も抑えることができていません。6-11でこのゲームも落としてしまいます。
- 第3ゲーム、準決勝では復調したはりひなペアでしたが、この試合は弱い時のままで韓国ペアに勝てる見込みはゼロでした。このゲームも6-11で落とし、パリオリンピックに向けて課題の残る準優勝となりました。
現在のはりひなペアの状態では、パリオリンピックの第2シード確保は絶望的です。パリオリンピック前に混合ダブルスのあるWTTシリーズに無理して出場するのは、考え直した方がいいです。
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表彰式。
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まとめ
シングルス
- 日本最強のカットマンである佐藤瞳選手と橋本帆乃香選手を1/4の山に引き入れるというドロー運の悪さに耐えて決勝まで勝ち上がりましたが、絶好調の長﨑美柚選手に悔しい逆転負けを喫し、準優勝でした。
- 決勝戦は試合のコントロール、プレー中に使う技術選択に課題が多かったと思います。身体と脳みそが疲れていたのかも知れません。
- 獲得できたWRポイントは280(優勝した長﨑美柚選手は400)でした。
- 長﨑美柚選手はWTTシリーズ初優勝を手にしました。今大会の勝ち上がりぶりは素晴らしかったし、第1回パリオリンピック選考会の決勝から天敵になっていた、現全日本女王を倒しての優勝は大きな自信になったことでしょう。しかも地球の裏側のリオデジャネイロに帯同者なしの自主派遣による遠征でした。
- またこの逆転での優勝は早田ひな選手に大きな収穫をもたらしたはずです。早田ひな選手はこれまでも悔しい敗戦を糧に強くなってきました。そのスイッチを推してくれたのです。
- パリオリンピック本番に向けて、敗戦含めて収穫の大きい大会になったはずです。
- 戦った5試合を通して「地球の反対側まで来た甲斐のある大会」との感想を得たと思います。
混合ダブルス
- 調子の上がらないまま勝ち上がり、準決勝でようやく復調したかに見えたものの、決勝は弱い時のはりひなペアのままで、韓国ペアに完敗して準優勝でした。勝つチャンスが全くないほどの実力差を見せつけられました。
- 現在の状態ではパリオリンピックの第2シード確保は絶望的なので、パリオリンピック前に無理して混合ダブルスのある大会に出続けるのは考え直した方がいいです。得るものより失うものの方が大きいです。
おまけ
今大会で優勝した長﨑美柚選手を特集した卓球ジャパン。
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