2024年10月にカザフスタンのアルマトイで開催されるアジア選手権大会のシングルス枠は5名ですが、うち3名はパリオリンピック出場選手が獲得済みです。残り2枠のうち1枠は、アジア選手権2024代表選手選考会の優勝者に付与されます。
2025年5月にカタールのドーハで開催される世界卓球選手権(個人戦)への出場権は、アジア選手権大会2024の出場者にしか付与されないため、この選考会には世界卓球選手権2024ドーハ大会の出場権もかかっています。そして出場選手20名に対して出場資格が付与されるのは優勝者1名のみというとんでもなく厳しい選考会です。
優勝したのは大藤沙月選手でした。これにより大藤沙月選手は重要な2大会への出場権を(実質的に)獲得しましたが、それに値する優勝でした。
*アイキャッチ画像はテレビ東京卓球情報のXポストからの引用です。
パリオリンピック出場選手は不参加
パリオリンピックに出場する3名の選手には、アジア選手権大会2024のシングルスの出場資格が付与済みで、今大会は参加対象外です。このブログは早田ひな選手が出場した大会のみを扱うことを基本としていますが、今大会については簡単にその記録を残すことにしました。
大会概要
- 期間:2024年6月20日、21日
- 場所:赤羽体育館(東京都北区)
- 試合方法:20名を4グループに分けてリーグ戦を行い、各グループ1位の選手で決勝トーナメントを行う。
- 試合形式:全試合5ゲームマッチ
- 参照:日本卓球協会公式サイト
ネット中継
テーブルは男女合わせて8台ありましたが、テレビ東京卓球チャンネルが2テーブルをネット中継してくれました。中継予定の試合が終わっても、他のテーブルで試合が進行中だったらそちらを映してくれるなど、2ストリームしかない中で最大限の配慮をして頂きました。
また、中継対象外の試合映像も(ストリーミング用でないカメラで収録)アーカイブして頂き、感謝しかありません。
選手選考基準
選手選考基準は少し複雑です。
出場選手
次の20名です。
- 横井咲桜、赤江夏星、木村香純、長﨑美柚、木原美悠
- 三村優果、出澤杏佳、面手凛、上澤杏音、兼吉優花
- 青木咲智、新谷莉央、竹谷美涼、佐藤瞳、大藤沙月、芝田沙季、橋本帆乃香、枝廣瞳、南波侑里香、小塩悠菜
女子で選考基準を満たしている上位選手のうち、名前がない(辞退したと思われる)のは伊藤美誠選手だけです。
組み合わせ抽選会
組み合わせ抽選会は大会前日に会場にて行われました。その模様はライブ配信予定でしたが、会場の回線状況不良により中止になり、終了後のアーカイブ公開になりました。
ドローは次のルールで行われました。
- 出場選手名簿順上位4名はドローなしで4グループに振り分け。
- 以降出場選手名簿順に4名ずつドローを行う。
- ただし所属(母体)が同じ選手が同じグループに入らないようにドローされるグループとドロー順を調整。
所属(母体)が同じ選手が同じグループに入らないようにするのは、過去に開催された同種の選考会でも採用されていたものです。
ドロー結果は偏りの少ない印象でした。
Aグループ
横井咲桜、出澤杏佳、兼吉優花、芝田沙季、南波侑里香
Bグループ
赤江夏星、三村優果、上澤杏音、大藤沙月、小塩悠菜
Cグループ
木村香純、木原美悠、青木咲智、佐藤瞳、枝廣瞳
Dグループ
長﨑美柚、面手凛、新谷莉央、竹谷美涼、橋本帆乃香
予選リーグ
横井咲桜選手、大藤沙月選手、佐藤瞳選手、橋本帆乃香選手が1位通過で決勝トーナメントに進出しました。全員ミキハウス所属です。
Aグループ
横井咲桜選手と芝田沙季選手が3勝1敗で並びましたが、直接対決の結果横井咲桜選手が1位通過しました。
Bグループ
大藤沙月選手が全勝で1位通過しました。
Cグループ
佐藤瞳選手が全勝で1位通過しました。
Dグループ
橋本帆乃香選手が全勝で1位通過しました。
決勝トーナメント
ドローにより準決勝の対戦カードはこうなりました。
- 横井咲桜 vs 佐藤瞳
- 橋本帆乃香 vs 大藤沙月
最高のドローだと思います。
準決勝
佐藤瞳選手と大藤沙月選手が決勝に進出しました。
横井咲桜 vs 佐藤瞳
佐藤瞳選手の圧勝でした。
橋本帆乃香 vs 大藤沙月
流れが入れ替わる接戦を制したのは大藤沙月選手でした。
決勝
佐藤瞳選手に2ゲーム選考される苦しい展開でしたが、大藤沙月選手が激戦を制して優勝しました。
ものすごい試合でした。痺れました。
フル動画。
優勝後のインタビュー。
試合結果を伝える記事。
まとめ
- 前週までWTTシリーズに出場していた長﨑美柚選手はプレーに精彩を欠きました。流石に疲れもあったでしょうし、十分な準備期間を取れず、難しい大会になったと想像されます。
- 木原美悠選手は佐藤瞳選手との試合(3-0で迎えた4試合目)直前のラケット検査で自分のラケットの使用が認められず、コーチのラケットで試合に臨んだそうです。佐藤瞳選手に0-3で負けましたが、自分のラケットでなければ負けてもしょうがないですね。一体何があったのでしょうか。
- 決勝トーナメントに進出したのは全員ミキハウス所属選手でした。4選手とも仕上がっていました。
- 準決勝で攻撃マンがカットマンを退け、決勝は横井咲桜選手と大藤沙月選手の対戦になりました。
- 激戦を制して優勝したのは大藤沙月選手でした。ものすごい試合でした。
- 大藤沙月選手はこの選考会に優勝したことにより、アジア選手権2024のシングルス出場権を獲得し、順当なら世界卓球2025ダーバン大会(個人戦)のシングルス出場権も獲得できます。それだけの価値のある優勝でした。
関連記事