世界卓球は選手にとっても日本卓球協会にとっても特別な大会です。個人戦と団体戦が毎年交互に開催されています。どちらも選手にとって重要です。
団体戦はシングルスのみで、各試合3選手が出場します。大会のエントリー枠は5名ですが、各試合には3名しか出場できません。厳しいです。
女子チームは中国に次ぐ世界ランク2位を維持しており、ゆえに決勝まで中国と当たらないことから準優勝するのが期待値になっています。
*アイキャッチ画像はこちらのXポストからの引用です。
世界卓球選手権大会(個人戦)
- 世界卓球選手権は個人戦と団体戦が毎年交互に開催されています。奇数年は個人戦、偶数年は団体戦です。
- 日本卓球協会がオリンピックに次ぐ重要な国際大会と位置付けており、選手選考・選手団の派遣には別格のリソースを投入しています。
- 団体戦はシングルスのみでリーグ戦による予選ラウンドとトーナメント戦による決勝ラウンドで構成。
- 日本人選手のエントリー枠は5名、団体戦の各試合には3名が出場。
- 団体戦はシングルスのみで5ゲームマッチ。
- 2024年から新方式でWRポイントが付与されています。
WRポイント付与方式
2024年から世界卓球選手権の団体戦にも新方式でWRポイントが付与されることになりました。(参照:ITTF World Team Championships Busan 2024 Winners to Share 1,000 Ranking Points)
- 優勝チームには1,000ポイント、準優勝チームには700ポイント、ベスト4のチームには350ポイントが付与されます。
- チームは付与されたポイントを、勝利への貢献度に応じて個人に分配します。チームが合計24勝し、ある選手が8勝した場合は貢献度は33%になり、チームに付与されたポイントの33%を獲得します。
- 予選ラウンドと決勝ラウンドの両方が、ポイント配分の計算対象になります。
- ただし貢献度が10%未満の選手にはポイントは配分されません。また、貢献度の上限は70%です。
たとえば日本チームが準優勝し、合計21勝のうち6勝した選手には700×6÷21=200で200ポイントが付与されます。WTTコンテンダーのベスト4でも140ポイントしか付与されないので、チームが準優勝できれば、勝利数の多い選手はそこそこ大きなポイントを獲得できると言えます。が、チームの成績がベスト4以下だと急速にポイントが減って無意味になります。
日本女子チームは順当なら決勝まで進む実力があるため、主軸として起用される選手は200ポイント以上獲得できる見込みとなります。この新方式による、世界卓球団体戦でのWRポイント付与、早田ひな選手は肯定的に捉えていることでしょう。
厳しい選考基準
世界卓球選手権大会(個人戦)のシングルスほどではないものの、選考基準は厳しいです。
2022年の成都大会では、2022年全日本選手権大会シングルス優勝者と、第1回パリオリンピック選考会の上位4名が選出されました。全日本選手権大会のシングルス優勝者はいいとして、残り4名が結果的に一発勝負の大会で選出されたのは唐突な印象が拭えませんでした。第1回パリオリンピック選考会から世界卓球選手権大会成都大会までは半年以上の期間があったので、5名の選出はもう少し後でも良かったのではないでしょうか。
2024年の釜山大会では、パリオリンピック選考ポイントランキング上位4名と、強化本部推薦による1名が選出されました。
難しい選手起用方法
大会には5名がエントリーできますが、各試合に出場できるのは3名です。誰を起用するか決めるのは代表監督ですが、相反する多くの条件・制約の中で決断することになります。バランス良く全選手が起用され、かつ、必ず決勝まで進んで中国を倒すところまで行けると良いのですが、言うほど簡単なことではありません。
オリンピックイヤーだと選手に経験を積ませるためだったり、WRポイント獲得(とシード権確保)のためにどうしてもオリンピック内定選手の起用が増えます。また決勝まで進出することが暗黙の期待値なので途中で敗退するわけには行きませんから、基本、ベストメンバーで戦いです。選手の調子、仕上がり具合も見ながらの判断になり、代表監督の手腕が問われます。
早田ひな選手が出場した世界卓球選手権大会(団体戦)一覧
世界卓球2022成都大会(2022年9月30日から10月9日)
- 日本女子チームは期待通り決勝まで進んで世界最強の中国チームと対戦しましたが、ストレートで負けて準優勝(銀メダル、4大会連続)でした。
- 選出された5名全員が複数の試合で起用されて勝利しました。選手も起用した監督も素晴らしかったです。
- 早田ひな選手は万全の状態でなかったことに加え、準決勝のドイツ戦で左腕を痛めてしまい決勝戦を欠場するという残念な結果となりました。
世界卓球2024釜山大会(2024年2月16日から25日)
- これまで中国との決勝ではストレート負けになることがほとんどだったわけですが、今大会では早田ひな選手と平野美宇選手が勝利を上げて、第5マッチまで進みました。惜しくも勝てませんでしたが、あの最強中国をあと一歩で倒すところまで迫れたのは大きな収穫でした。
- 早田ひな選手はこれまで善戦はしても一度も勝てていなかった(過去7戦全敗)陳夢選手に勝つことができました。これは今大会における最大の収穫と言えるかも知れません。
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