ITTF(国際卓球連盟)主催の多くの国際大会は、2021年からWTTシリーズに置き換えられました。ワールドカップ(個人戦)は(いったん)WTTファイナルズに置き換えられました。
WTTファイナルズはシーズンの最後に、年1回だけ開催される特別な大会です。WTTシリーズの中では特異な仕様で、いわば、世界トップの16名だけが出場できるボーナスステージのようなものです。
この記事では早田ひな選手が出場したWTTファイナルズ大会をまとめています。
*アイキャッチ画像はテレ東卓球チャンネルからの引用です。
WTTファイナルズ
2022年まではWTTカップファイナルズという名称でした。
- シニア向けWTTシリーズの上から2番目の大会です。
- 男女それぞれ年間最大1大会のみ開催可能です。
- (男女別開催の場合)本戦3日、予選はありません。
- シングルスとダブルスを実施。出場人数は16名の完全招待制。(世界ランク上位者のみが招待される特別な大会。)
- 各協会からの出場人数に上限なし。
- ワイルドカード枠、WTT推薦枠なし。
- シングルスのシード数は4。
- 招待された選手が病気や怪我以外の理由で辞退した場合、ペナルティの対象となります。
- 準決勝、決勝のみ7ゲームマッチ、他は5ゲームマッチ。
- 試合はテーブル1台のみで進行されます。
- 優勝選手には1,500ポイントが付与されます。
完全招待制で世界のトップ選手だけが出場できる、強い選手ばかりだけど16名しかいないのにWRポイントが高い、TOPランカーを優遇しているという印象です。
ワールドカップの復活
WTT誕生前にITTFが主催していたワールドカップは個人戦、団体戦ともにいったん廃止されました。WTTファイナルズはワールドカップ(個人戦)を置き換えたものとされていました。
ところが驚いたことに、ワールドカップが復活したのです。
混合団体ワールドカップ
ITTFは唐突に2023年12月に成都で新フォーマットによる混合団体ワールドカップを開催すると発表し、卓球界に驚きと大混乱をもたらしました。特に日本卓球界は中国に翻弄され、最終的には軟着陸したものの、将来に大きな不安を残しました。
開催経緯に問題があったものの、大会は大盛況でした。フルメンバーを揃えられなかった国も多い中、日本は3位(銅メダル)でした。中国と優勝を争うためには、このフォーマットに適した選手を選考する必要があります。
ワールドカップ(個人戦)
ITTFは2023年12月に、ワールドカップ(個人戦)を2024年4月にマカオで復活開催すると発表しました。詳細は未公表ですが、おそらく従来のワールドカップ(個人戦)を踏襲した仕様になると思われます。
日本はシングルス2枠を獲得し、パリオリンピックのシングルス代表候補である早田ひな選手と平野美宇選手が出場することになるはずです。
付与されるWRポイント
WTTシリーズを含む国際大会で付与されるWRポイント一覧です。WTTファイナルズは4試合に勝って優勝すると1,500ポイントが付与されます。初戦敗退でも100ポイント付与されます。
出典:ITTF TABLE TENNIS WORLD RANKING REGULATION
WTTファイナルズに出場するにはシーズン終了前の世界ランクが(ほぼ)16位以内でないといけないので、選ばれし者のみが出場できる大会ですが、付与されるポイントの高さは「ボーナスステージ」と呼ぶにふさわしいものです。
しかしながら、シード数がたったの4しかないので、初戦(R16)から中国四天王に確率1/2で当たります。厳しい大会です。
早田ひな選手が出場したWTTファイナルズ大会一覧
2022年10月に開催されたカップファイナルズシンシャンは、ケガのため欠場しました。
WTTカップファイナルズ2021(2021年12月4日から7日)
- 準決勝で孫穎莎選手に負けてベスト4でしたが、WTTシリーズで2番目の上位大会なので525ポイントを獲得しました。これは2022年の戦いを有利に進める上で大いに役立ちました。
- 孫穎莎選手との実力差は大きいわけですが、足りないものに加えて通用する技術が多くあることも認識できた、素晴らしい大会になりました。
- 来年もカップファイナルズに招待され、世界のトップ選手を倒して決勝に進みたいものです。
WTT女子ファイナルズ名古屋2023(2023年12月15日から17日)
2021年、2022年は男女同時開催かつシングルスのみでしたが、2023年は男女別々に、シングルス+ダブルスでの開催でした。(男子ファイナルズは2024年1月開催。)また、みまひなペアは世界トップ8ペア外だったためエントリー対象になりませんでした。
- 初戦で陳夢選手と当たり、2-1と先行したものの逆転され、惜しくも2-3で負けてしまいました。
- 結果ベスト8で獲得したWRポイントは100でした。中国四天王が揃っている大会で、ベスト4に入って大きなWRポイントを獲得するのは非常に難しいです。それは、世界ランク4位までと5位以下のポイント差に表れています。
- 試合後のインタビューで涙を浮かべていましたが、その悔しさと試合中に気付いた学びを糧に、さらに強くなって欲しいです。これまでそうしてきたように。