世界卓球は選手にとっても日本卓球協会にとっても特別な大会です。早田ひな選手は2021年のヒューストン大会に続いて、2度目のシングルス代表として出場しました。
早田ひな選手はシングルスの準々決勝で王芸迪選手との死闘を制して銅メダルを獲得する「歴史的快挙」を成し遂げました。
*アイキャッチ画像は世界卓球ダーバン大会特別サイトからの引用です。
大会の仕様
- 個人戦と団体戦が毎年交互に開催されています。奇数年は個人戦、偶数年は団体戦です。
- 日本卓球協会がオリンピックに次ぐ重要な国際大会と位置付けており、選手選考・選手団の派遣には別格のリソースを投入しています。
- 個人戦はシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
- 団体戦はシングルスのみでリーグ戦による予選ラウンドとトーナメント戦による決勝ラウンドで構成。
- 日本人のシングルス出場枠は5名。
- シングルスはRound 128から、ダブルス種目はRound 64から(ともに予選なし)と出場人数、試合数が多い。
- シングルスは7ゲームマッチ、ダブルス種目は5ゲームマッチ。
- 同一種目は同日には1試合しか行われない日程が組まれています。
- 優勝選手には2000ポイントが付与されます。(オリンピック、グランドスマッシュと同じ。)
- シングルスはパリオリンピック選考ポイント、打倒中国ポイント付与対象です。
パリオリンピック選考ポイントの配分が優勝で200、ベスト4で120と非常に高いです。
ベスト8で80ポイントも付与されますが、それは第4回から第6回選考会の3位に相当します。これは世界卓球のシングルスでベスト8に入るのがそれだけ難しいからですね。
選考基準と出場選手
世界卓球選手権ダーバン大会の選手選考には、パリオリンピック選考ポイントが使われました。別途選考会を設けないで、ある時点のパリオリンピック選考ポイントの合計上位5名が選出されたのです。
- 女子シングルスは早田ひな選手、伊藤美誠選手、平野美宇選手、木原美悠選手、長﨑美柚選手が選考されました。
- 女子ダブルスは、みまひなペアとWみゆうです。
- 混合ダブルスは、はりひなペアと、篠塚・木原ペアでしたが、篠塚選手がケガのため棄権したことにより、宇田・木原ペアに変更されました。
大会情報
- 期間:2023年5月20日から28日
- 場所:南アフリカ・ダーバン(日本との時差7時間、現地10:00が日本の17:00)
- 出場種目:シングルス、ダブルス、混合ダブルス
- 参照:WTT公式サイト、日本卓球協会公式サイト
ネット中継
- (ITTFが管轄する大会ですが)WTTがYoutubeチャンネルでT2を除くT1からT8をリアルタイム配信しました。
- テレビ東京卓球チャンネルはT2をリアルタイム配信しましたが、日本人選手の一部の試合は配信停止され、Paraviでの有料視聴のみとなりました。
- T2で行われた日本人選手の試合の多くを、テレビ東京が地上波とBSで生中継しました。
- 日程後半からT1もリアルタイム配信対象になりました。
- リアルタイム視聴できなくても、おおむね24時間以内には(Paraviでの配信対象になった試合も含めて)テレビ東京卓球チャンネルにアップされました。ありがたいです。
大会期間中は時差のため不規則な生活となりましたが、ネット中継が充実していて観たい試合は全部観れました。
T2で行われた日本人選手の一部の試合の配信が停止され、Paraviに誘導されたことに不満を感じる人も(当然)多かったようですが、僕はそうなる背景も理解できるし、有料であってもリアルタイムで視聴できるだけでうれしいです。そしてParaviでの有料配信対象となった試合も、フル動画のアーカイブを数時間後にはYouTubeチャンネルに公開してくれる姿勢には感謝しかありません。
大会開催前
壮行会での日本代表選手記者会見(全体)。
記者会見での早田選手の発言。選手別に切り出してくれるテレビ東京卓球チャンネルは神。
選手別インタビュー、音量が低い。
早田ひな選手と張本美和選手の公開練習。
日向坂46と早田ひな選手のトーク、予想外の面白さ。
テレビ東京によるインタビュー。
南アフリカ到着直後の様子。テレビ東京卓球情報のツイートから。
現地5/15🇿🇦南アフリカ到着
🇯🇵#早田ひな
「すごく天気が良くて乾いている感じが私は結構好き。いい雰囲気で試合に臨めそう。」🏓#世界卓球2023 南アフリカ🇿🇦
5月20日(土)〜28日(日)開催‼️
#テレビ東京 系列・ #BSテレ東
5月21日から連日生中継📹大会情報・放送情報🔻https://t.co/7UDZjHBudc pic.twitter.com/91vP2j5zlc
— テレビ東京卓球情報 (@tvtokyo_tt) May 16, 2023
5月16日のトレーニングの様子、会場練習は明日から。
会場練習、初日の様子。
ドローセレモニー。MCはアダム・バブロー。
今大会の目標。
🏓2023年 #世界卓球選手権 ダーバン大会🇿🇦
シングルス・ダブルス・混合ダブルス出場#早田ひな
「ダブルスの2種目は金メダルを、シングルスの最低目標はベスト4。そこを越えられるように金メダルを目指したいです。」#ITTFWorlds2023#Durban2023#VICTAS #MIZUNO#ANA #全農 #スターツ #日清紡 pic.twitter.com/9FPDxmIPA9— 日本卓球協会 (@jtta_official) May 20, 2023
シングルス出場選手
予選なし、全員本戦から出場で総数124名を超えてます。次は世界ランキング上位40名の顔ぶれです。最上位5名は中国人選手です。
早田ひな選手はWR8位で第7シードでした。
シングルス:ベスト4(銅メダル)
早田ひな選手はR32で長﨑美柚選手と当たり、そこを突破できて順当ならば準々決勝で王芸迪選手か平野美宇選手に当たる、普通に厳しいドローでした。この大会は32名がシードされるので、WTTシリーズよりも「ひどいドロー」になりにくい印象ですが、それでも勝ち上がるのは容易ではありません。
早田ひな選手は準々決勝で王芸迪選手との死闘を制してベスト4入りし、銅メダルを獲得しました。準決勝戦では孫穎莎選手に負けました。また獲得したWRポイントは700、選考ポイントは120+打倒中国ポイント15でした。
表彰式。
表彰式前のオフショット。
Round 128(1回戦)
アメリカのジャリ選手との対戦でした。初対戦、相手選手の情報がほとんどない中での戦いだったそうです。
スレート勝利でしたが、ジャリ選手は手強かったです。
- 第1ゲーム、点差が開かない展開で7-6まで競りますが、そこから抜け出して11-6でこのゲームを取ります。早田選手のサーブが効いています。
- 第2ゲーム、接戦で7-5まで競ります。ジャリ選手のピッチが速く鋭い両ハンドにやや苦戦しますが、終盤引き離して11-7でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、R128とは思えないようなラリーも展開されます。回り込んでのフォアハンドドライブをカウンターするなどジャリ選手は手強いです。9-8まで競りますが勝負どころで失点せず11-8でこのゲームも取ってゲームカウントを3-0とします。
- 第4ゲーム、早田選手にややミスが増えてリードされる展開になりますが、8-8で追いつきます。8-10と先にゲームポイントを握られますがデュースに持ち込み、最後は早田選手らしい攻撃で14-12で勝ち切り、難しい初戦をものにしました。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
試合直後のインタビュー。
ミックスゾーンでのインタビュー。
試合結果を伝える記事。
みんスポからの公式動画。
この試合のスーパープレー。
Round 64(2回戦)
イタリアのピッコリン選手との対戦でした。
早田選手は仕上がりが良く快勝でした。
- 第1ゲーム、点差が開かない展開で8-7まで競りますが、そこから抜け出して11-7でこのゲームを取ります。ピッコリン選手に打たせると手強いです。
- 第2ゲーム、攻撃の組み立てが良くなり早田選手がリードする展開になります。ラリー戦の勝率も上がって11-4でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、早田選手は距離感をつかめたかのようなプレーでピッコリン選手を翻弄し、11-2と圧倒します。ゲームカウントは3-0になります。
- 第4ゲーム、精度の高いプレーで9-3と大量リードしますが、そこからピッコリン選手の反撃にあい5連続失点で9-8とされます。それでも最後きっちり締めて11-8で勝ち切りました。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
勝利インタビュー。
試合結果を伝える記事。
上田仁選手による解説。
この試合のスーパープレー。
Round 32(3回戦)
長﨑美柚選手との対戦でした。国内大会では良く対戦していますが、2020年以降の国際大会での対戦はこれが初めてです。
早田選手は仕上がりが良く完勝でした。
- 第1ゲーム、長﨑選手にとってアンラッキーなボールもありましたが、精度の高いプレーで早田選手が大量リードする展開になり、11-3でこのゲームを取ります。早田選手はサーブからの組み立てが良く打ち合いにも負けないのに対し、長﨑選手は急いで決めようとしたのがミスにつながった印象です。
- 第2ゲーム、チキータしたい長﨑選手の心理を逆手に取るかのようなサーブでミスを誘い、バック対バックのラリー戦でもコース取りと緩急のコントロールが巧みな早田選手がリードする展開になります。7-5までは競りますが、そこから引き離して11-6でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、いつもの戦い方に戻した印象の長﨑選手がリードする展開で5-8としますが、そこから精度の高いプレーで6連続得点して11-8でこのゲームも取り、ゲームカウントを3-0にします。
- 第4ゲーム、(この試合を通じて)早田選手はロングサーブ主体で長﨑選手のチキータを封じます。長﨑選手は3本もサーブミスするなど苦しい展開となり、試合全体を有利に運んだ早田選手が11-3と圧倒しました。
長﨑選手は強敵ですが、この試合は戦術、プレーの精度が上回った早田選手が圧倒しました。この二人がR32で当たったのは(ドロー運とは言え)実にもったいなかったです。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
試合直後のインタビュー。
試合結果を伝える記事。
上田仁選手による解説。
この試合のスーパープレー。
Round 16(4回戦)
韓国の徐孝元(ソ・ヒョウォン)選手との対戦でした。WTTチャンピオンズESS2022以来の対戦になりました。
徐孝元選手は今大会を4-2、4-1、4-2で勝ち上がってきた実力者ですが、早田選手は入念な準備ができていたようで、ストレートで勝てました。
- 第1ゲーム、早田選手がリードする展開で危なげなく11-5で取ります。
- 第2ゲーム、打ちミスが増えて1-5とリードされますが、修正して6-6で追いつきます。徐孝元選手が攻撃に転じる回数を減らして10-7でゲームポイントを握ります。そこから徐孝元選手に厳しいボールを打ち込まれて10-9とされますが、冷静なプレーで逃げ切ってこのゲームも取ります。徐孝元選手は少しでもボールが甘くなると低い軌道で速いボールを打ち込んでくるので油断できません。
- 第3ゲーム、我慢強いプレーでリードを広げ、11-6でこのゲームも取ってゲームカウントを3-0とします。カットマンとの試合は観ている方も疲れます。
- 第4ゲーム、徐孝元選手は強敵で8-8まで競ります。勝つのが簡単でないことは、得点後の仕草を見れば分かります。最後気迫を感じるプレーで11-8で勝ち切り、この試合をものにしました。
翌日の準々決勝に備えて、ストレート勝利で体力の消耗を最小限にできて良かったです。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
試合直後のインタビュー。
試合前練習。石田コーチは対戦相手のラバーで練習に付き合うことで有名です。
試合結果を伝える記事。
上田仁選手による解説。
準々決勝
中国の王芸迪選手との対戦でした。R16で平野美宇選手を破って勝ち上がってきました。
フルゲーム、21-19の死闘を制した、卓球史に残る大激戦になりました。
- 第1ゲーム、両者長い展開を選択してバチバチのラリーになりますが、王芸迪選手に左右に振られて失点するパターンが多く、11-4で落としてしまいます。
- 第2ゲーム、読みを外したサービス、緩急とリズムを変える攻撃で流れをつかみ、11-3でこのゲームを取り返します。
- 第3ゲーム、接戦になり点差が開かない展開で9-9まで競ります。そこからラリー戦をフォアハンドドライブで制して11-9でこのゲームも取ります。ラリーはバック対バックの我慢比べが増えます。
- 第4ゲーム、レシーブミスかラリーでミスするかフォアハンドで決められるかの3択のような展開が多くなりますが、このゲームは6-11で取り返されます。
- 第5ゲーム、息の詰まるような接戦が続きますが、9-9からラリー戦2本を制した早田選手が11-9で取り、ゲームカウントは3-2になります。
- 第6ゲーム、流れをつかんで8-5とリードしますが、そこから攻撃力を増した王芸迪選手に6連続得点されて8-11で落としてしまいます。中国のトップ選手はそう簡単には勝たせてくれません。
- 最終第7ゲーム、レシーブミスかバック対バックのラリーで負けるかの勝負が続きます。流れをつかんで8-5とリードしますが、そこから5連続失点で8-10と先にマッチポイントを握られます。ここで高レベルのラリー2本を制してデュースに持ち込みます。早田選手は大きな声を出します。
- 10-10のデュース以降、世界最高水準のラリー、極めて心臓に悪い展開が続きます。王芸迪選手のマッチポイントを7回(デュース前を含めると9本)しのぎ、早田選手は3回目のマッチポイントをものにして21-19で卓球史に残る死闘に勝利しました。
この言葉では表現できない勝利により、早田選手はベスト4、銅メダル以上を確定させました。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
勝利インタビュー。
ミックスゾーンでのインタビュー。
最終ゲーム10-10から全部見せ。
最終ゲームまるごと。
最終ゲーム10-10以降をコートサイドから。
世界ランク3位・王芸迪から10連続ポイント。
超スーパープレー。
歴史的快挙達成に大会運営から粋なプレゼント。
21-19、本当に長かったんだな。
試合前練習。
直前練習。日本選手団の最後の希望。
ハイライトまとめ、1回戦から準々決勝まで。
快挙達成を伝える記事。
高樹ミナさんによる現地レポート。おすすめ。
上田仁選手による解説。
この試合のスーパープレー。
準決勝
中国の孫穎莎選手との対戦でした。
孫穎莎選手の強さは別次元でした。
- 第1ゲーム、4-3までは互角の戦いでしたが、そこから逆(の両サイド)を突かれて失点するパターンが増え、8連続失点で4-11で落とします。孫穎莎選手のボールのコースと威力はこれまでの対戦相手とは段違いです。
- 第2ゲーム、孫穎莎選手の攻撃力の高さに押される形で5-11でこのゲームも落としてしまいます。
- 第3ゲーム、孫穎莎選手の考えがいくらか読めるようになった印象で、徐々に対応でき始めましたがその時期が遅く、8-11でこのゲームも落とし、ゲームカウント0-3と追い込まれます。
- 第4ゲーム、距離感をつかめたのか早田選手らしい攻撃が増え、レシーブも良くなって10-4と大量リードでゲームポイントを握ります。そのまま孫穎莎選手に反撃を許さず11-5で取り返します。
- 第5ゲーム、格上の孫穎莎選手相手に互角の戦いを展開し、8-9まで競ります。が、最後の1、2点を取らせてもらえないのが中国トップ選手の強さで、8-11で負けてしまいました。
第3ゲーム以降は早田選手らしい戦い方ができるようになりました。実力差はとても大きいですが、絶望的ではありません。勝つのに何が足りないかを、孫穎莎選手はこの試合を通じて教えてくれました。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
ミックスゾーンでのインタビュー。
会場入り&試合前練習。
試合結果を伝える記事。
平野早矢香さんの評価。
高樹ミナさんによる現地レポート。超おすすめ。
上田仁選手による解説。
みんスポからの公式動画。
この試合のスーパープレー。
ダブルス:ベスト8
みまひなペアは準々決勝で陳夢/王芸迪ペアと、順当なら準決勝で長﨑/木原ペアと当たる厳しいドローでした。決勝まで進んで世界最強の孫穎莎/王曼昱ペアと再戦したいところでしたが、伊藤美誠選手が左臀部に故障を抱えた状態での強行出場だったこともあり、それは難しい話でした。
みまひなペアは準々決勝で陳夢/王芸迪ペアに負けてベスト8でした。
Round 32(2回戦)
マパーンガ/パテルの南アフリカペアとの対戦でした。
実力差が大きく、みまひなペアの圧勝でした。みまひなペア、練習したのは事前合宿含めてこの試合当日だけでしたが、動きは良かったです。また、ともにシングルス初戦の好調さを維持しているようでした。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
試合直後のインタビュー。
試合結果を伝える記事。
Round 16(3回戦)
バトラー/カマスのインドペアとの対戦でした。
みまひなペア好調です。
- 第1ゲーム、バトラー選手の癖のある球質にやや苦戦して7-7まで競りますが、そこから抜け出して11-8でこのゲームを取ります。伊藤選手のフォアハンドの攻撃が効果的です。
- 第2ゲーム、インドペアを翻弄するプレーで10-3と大量リードでゲームポイントを握ります。インドペアの追い上げを振り切って11-6でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、インドペアの攻撃が決まる回数が増えて5-5まで競ります。そこから組み立てが良くなってリードする展開になり、最後は早田選手のサービスエースで11-7で勝ち切り、準々決勝進出を決めました。
バトラー選手対策が良くできていた印象です。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
試合直後のインタビュー。
試合結果を伝える記事。
みんスポからの公式動画。
準々決勝
陳夢/王芸迪の中国ペアとの対戦でした。シンガポールスマッシュ2023の準決勝で1-3で負けて以来の対戦となりました。
勝てませんでした。3ゲームとも最小得点差での負けですが、とても高い壁を感じました。
- 第1ゲーム、点差の開かない展開で10-9と先にゲームポイントを握りますがデュースにされ、ラリー戦に負けて10-12で落としてしまいます。みまひなペアはミスが多く、好プレーを帳消しにしてしまっています。
- 第2ゲーム、接戦で9-9まで競りますが、そこからサービスエース2本を決められて9-11でこのゲームも落とします。ラリー戦が不利という前に、簡単なミスを減らさないとこのペアには勝てません。
- 第3ゲーム、9-5と大量リードしたものの、あっさり9-10と逆転されてしまいます。デュースに持ち込んだものの攻撃力の高い中国ペアに押し切られて10-12で敗戦となり、メダルなしの残念な結果になりました。
今大会みまひなペアは好調だったのに、それでも中国ペアには勝てない現実には厳しいものがあります。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
試合前練習。
試合結果を伝える記事。
みんスポからの公式動画。
混合ダブルス:準優勝
はりひなペアはR16で宇田/木原ペアと当たり、勝ち進めれば準決勝で中国の第2組目である林詩棟/蒯曼ペアと、決勝で王楚欽/孫穎莎ペアと当たるドローでした。
はりひなペアは準決勝で林詩棟/蒯曼ペアを破って決勝に進みましたが、世界最強ペアである王楚欽/孫穎莎ペアに圧倒されて準優勝でした。
はりひな初練習。
Round 32(2回戦)
マドリード/シルバのメキシコペアとの対戦でした。
- 第1ゲーム、はりひなペアがリードする展開になります。終盤ミスの少ないプレーで引き離し、11-5で取ります。
- 第2ゲーム、ローテーションが変わって張本選手がシルバ選手のボールに合わせられず1-6と大量リードされます。4-10と先にゲームポイントを握られますが、そこから張本選手がシルバ選手のボールを攻略して逆転し、13-11でこのゲームも取ります。6点差をひっくり返せたのは大きかったです。
- 第3ゲーム、精度の高いプレーでリードを広げ、マドリード/シルバペアに付け入る隙を与えず11-3で勝利しました。
はりひなペア、好調です。張本選手、頼もしかったです。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
ハイライト、WTT制作バージョン。
ミックスゾーンでのインタビュー。
試合結果を伝える記事。
みんスポからの公式動画。
Round 16(3回戦)
宇田/木原ペアとの対戦でした。
はりひなペア、強かったです。
- 第1ゲーム、接戦になり8-7まで競りますが、サーブが効いて11-8でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、サーブ・レシーブで優位に立ったはりひなペアがリードする展開になり、11-6でこのゲームも取ります。はりひなペアは攻撃的で動きもいいです。
- 第3ゲーム、サーブが有効で攻撃の組み立ても良いはりひなペアがリードを広げて9-3とします。ここからミスが増えて9-8と追い上げられますが、最後二人がフォアハンドドライブで締めて11-8で勝ち切り、準々決勝進出を決めました。
張本選手、早田選手ともに仕上がりが良いです。
フル動画、日本実況付き。
フル動画。
ハイライト。
ミックスゾーンでのインタビュー(張本選手はシングルスの試合時間が迫っているのでスキップ)。早田選手「張本選手のメンタルコントロールをしながら自分自身はどっしり構えるのが良い」。
試合結果を伝える記事。
上田仁選手による解説。
みんスポからの公式動画。
準々決勝
林鐘勲(イム・ジョンフン)/申裕斌(シン・ユビン)の韓国ペアとの対戦でした。はりひなペアはWTTスターコンテンダーゴア2023の準決勝で張禹珍/田志希選手の韓国ペアに負けており、違う韓国ペアですがリベンジしたいと試合に臨んだはずです。
はりひなペア、好調です。
- 第1ゲーム、攻撃力のある韓国ペアに強打を打たせず、逆にレシーブを甘くさせて張本選手が強打する戦術を取ります。接戦になりますが、終盤はりひなペアが抜け出して11-8でこのゲームを取ります。張本選手のフォアハンドの威力、凄まじいです。
- 第2ゲーム、ラリー戦は互角になるものの、サーブと台上技術に優るはりひなペアが韓国ペアの攻撃を封じて11-5でこのゲームも取ります。はりひなペアはミスが少なく動きも良いです。
- 第3ゲーム、序盤競りますが、強気の攻撃を得点につなげたはりひなペアが韓国ペアを振り切って11-6で勝ち切り、準決勝進出、メダル確定を決めました。
はりひなペアはプレーが安定していて崩れないですね。そして張本選手は頼れる漢です。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
直前練習。
試合結果を伝える記事。
みんスポからの公式動画。
上田仁選手による解説。
準決勝
林詩棟/蒯曼の中国ペアとの対戦でした。
はりひなペア、強いです。
- 第1ゲーム、はりひなペアらしいプレーの連続で7-3と大量リードしますが、中国ペアの逆襲にあい8連続得点されて7-11で落としてしまいます。プレーの精度がわずかでも下がると勝てない相手です。
- 第2ゲーム、はりひなペアは得点率の高い組み立てで攻め立て、6-2と大量リードします。早田選手のサーブは中国ペアにも有効で、そこから張本選手が3球目攻撃で決めるパターンが増えます。中国ペアも追い上げますが、危なげなく11-6でこのゲームを取り返します。
- 第3ゲーム、前2ゲーム同様序盤はりひなペアがリードする展開になります。ややミスが出て8-7とされたタイミングでタイムアウトを取ります。タイムアウト明けレシーブからの息が止まりそうなラリー戦と早田選手のサーブからの3球目攻撃を決めて10-7とゲームポイントを握ります。最後はハイトスロングサービスで蒯曼選手のチキータミスを誘い、11-7でこのゲームも取ってゲームカウントを2-1にします。
- 第4ゲーム、攻撃的姿勢を崩さないはりひなペアがリードする展開になり追い込まれた中国ペアのミスが増えます。8-3と大量リードした後2点差まで追い上げられますが、張本選手のサーブからの展開でマッチポイントを握り、最後は早田選手の台上技術によるお膳立てに張本選手がフォアハンドの強打を決めて11-6で勝ち切り、決勝進出を決めました。
素晴らしい試合でした。張本選手は早田選手のメンタルコントロールが効いて、苦しい場面でも漢らしさを発揮しました。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
勝利インタビュー。
ミックスゾーンでのインタビュー。早田選手は数時間後にシングルスの試合があるためスキップ。
スーパープレー集。
試合結果を伝える記事。
みんスポからの公式動画。
上田仁選手による解説。
決勝
王楚欽/孫穎莎の中国ペアとの対戦でした。世界最強ですが、今大会は準決勝で黄鎮廷/杜凱琹の香港ペアに薄氷の勝利でした。
完敗でした。王楚欽/孫穎莎ペアは恐ろしいほどの強さでした。はりひなペアを研究し尽くしていた印象です。
- 第1ゲーム、接戦で6-6まで競りますが、そこから中国ペアの攻撃力の押され、6-11で落としてしまいます。はりひなペアはミスが多く流れに乗れません。
- 第2ゲーム、普段の実力を発揮させてもらえないはりひなペアに対し、王楚欽/孫穎莎ペアは完璧な試合運びで2-11と圧倒します。このゲームだけ切り取ると、とても決勝戦とは思えない実力差を感じます。
- 第3ゲーム、はりひなペアもプレーを修正して臨みますが、王楚欽選手が完璧すぎてお手上げ状態になります。7-11で力なく敗戦となりました。
今日は、世界卓球の決勝戦で世界最強の中国ペアに勝てる状態ではありませんでした。
フル動画、日本語実況付き。
フル動画。
ハイライト。
表彰式。
直前練習。
試合結果を伝える記事。
まとめ
- シングルスは準々決勝で王芸迪選手との死闘を制して準決勝に進みましたが、孫穎莎選手に負けてベスト4(銅メダル)でした。僕はこの試合で繰り広げられた死闘を生涯忘れません。
- ダブルスは準々決勝で陳夢/王芸迪ペアに敗れてベスト8でした。
- 混合ダブルスは準決勝で林詩棟/蒯曼ペアに勝ち、決勝で王楚欽/孫穎莎ペアとの再戦を果たしましたが、あっけなく敗れて準優勝でした。
シングルスでベスト4入りしたため、WRポイントを700、選考ポイントを120、さらにWR3位の王芸迪選手に7ゲームマッチで勝利したため打倒中国ポイントを15獲得しました。
- 2022年秋からWRポイントを満足に稼げておらず、世界ランクの下落が続く厳しい状況でしたが、WRポイントを700獲得できたことはとても大きかったです。
- パリオリンピック選考ポイントを135加算できたことで、さらに2位以下を大きく引き離すことができました。
歴史的快挙
早田ひな選手は準々決勝で王芸迪選手との死闘を制して銅メダルを獲得しましたが、これは歴史的快挙だそうです。
- 世界卓球の女子シングルスで日本人選手が中国人選手に勝ったのは28年ぶり。
- さらにメダルを獲得できたのは58年ぶり。
- シングルスのメダルは、2017世界卓球ドイツ大会で平野美宇選手が銅メダルを獲得して以来6年ぶりですが、その大会で平野美宇選手は中国人選手に負けています。
準決勝で孫穎莎選手に中国トップ選手の層の厚さを痛感させられましたが、この銅メダル獲得は日本の卓球史に残る出来事です。今回、とんでもなく高い壁をひとつ超えることができました。これからもコツコツと階段を登って行けば良いのです。
パリオリンピック選考レース
今大会は選考ポイント付与対象かつその配分が高かったため、シングルスに出場して好成績を残せるかどうかで選考レースの結果が大きく変わります。次はシングルスに出場した5名の結果と付与された選考ポイント一覧です。早田ひな選手の135ポイントは、打倒中国ポイント15を含みます。
この結果、伊藤美誠選手は7位から3位に上昇しました。
「ひなにとって永遠に輝き続けてくれるメダル」
早田ひな選手と石田大輔コーチの組み合わせが生まれるのは100年に一度あるかないかです。同じ時代を生きていることに感謝しています。
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大会終了後
早田ひな選手からファンへのメッセージ。
大会の結果を伝える記事。
帰国翌朝のメダリスト記者会見、全体。
メダリスト記者会見、早田ひな選手の発言のみ切り抜き。
メダリスト記者会見、王芸迪選手との死闘の振り返り。
メダリスト記者会見関連記事。「自分の卓球人生の中でたぶん一番記憶に残る」。
みんスポからの公式動画。
これからも全力で応援します。
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早田ひな選手のツイート。
世界選手権ダーバン大会では、最後の最後まで大応援をしてくださった皆さん本当に有難うございました🙇♂️🇿🇦
また日本代表をサポートをしていただいたスタッフの皆さん、私を1番近くで支えてくださったチームひなの皆さん、ダブルスを組んでくれた張本くん、みま本当にありがとうございました🐥 pic.twitter.com/VdoGKeEOYA— 早田ひな (@hayata_hina) June 1, 2023
高樹ミナさんによる記事、おすすめ
王芸迪選手との死闘を分析した記事。内容は微妙かも。
雑誌「卓球王国2023年8月号」関連記事。
早田ひなファンは必読です。ここでしか読めない内容がたくさんあります。
広告おまけ
テレビ東京のスタッフ最高です。
試合中に笑顔を見せる早田選手について。
早田ひなスーパープレー集。
はりひなペアスーパープレー集。
日本代表スーパープレー集。
卓球ジャパン!公式動画。
卓球ジャパン!王芸迪戦をDEEP解説、前編。
卓球ジャパン!王芸迪戦をDEEP解説、後編。
卓球ジャパン!王芸迪戦をDEEP解説、前後編を1本にまとめたもの。
水谷隼さんはどう評価しているか。
アダムがあの夜に
石田コーチがインスタライブで話されていたのですが、あの王芸迪戦の後、ドーピング検査があってホテルに帰るのは深夜になったそうです。その時にアダムが石田コーチを見つけて、フルゲーム21-19のスコアシートを手渡ししてくれたそうですが、そのシーンがアダムのYouTube動画にありました。
あの時、実は
2024年1月22日に公開された特別企画「あの時、実は」。早田ひな選手「卓球人生の可能性を広げてくれた試合」。