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WTTファイナルズ福岡2024の結果詳細

WTTファイナルズ福岡2024は、完全招待制で世界ランクトップ16名しか出場できない特別な大会です。シード数は4しかないため、初戦(R16)を突破するのも大変で、かつドロー運の要素が強い大会になっています。

が、初戦に勝てば265ポイントも手にできます。世界上位16名だけが出場できる、ボーナスステージのようなものとも言えます。

早田ひな選手は初戦でセーチ選手に敗れてベスト16でしたが、コート(試合)に戻ってこれただけで十分でした。まだバックハンドを満足に振れない状態の中、最大限のパフォーマンスを発揮してくれました。試合後のミックスゾーンでのインタビューで、負けたけど悔いはない、120点の内容と話していました。

*アイキャッチ画像はテレ東卓球チャンネルからの引用です。

WTTファイナルズ

  • シニア向けWTTシリーズの上から2番目の大会です。
  • 男女それぞれ年間最大1大会のみ開催可能です。
  • 男女同時開催の場合本戦5日、予選はありません。
  • シングルスとダブルスを実施。出場人数は16名の完全招待制。(世界ランク上位者のみが招待される特別な大会。)
  • 各協会からの出場人数に上限なし。
  • ワイルドカード枠、WTT推薦枠なし。
  • シングルスのシード数は4。
  • 招待された選手が病気や怪我以外の理由で辞退した場合、ペナルティの対象となります。
  • 準決勝、決勝のみ7ゲームマッチ、他は5ゲームマッチ。
  • 試合はテーブル1台のみで進行されます。
  • 優勝選手には1,500ポイントが付与されます。

完全招待制で世界のトップ選手だけが出場できる、強い選手ばかりだけど16名しかいないのにWRポイントが高い、TOPランカーを優遇しているという印象です。

出場するだけで(初戦敗退でも)100ポイント獲得できます。ドロー運に恵まれて初戦が(中国四天王でなくて)勝ちやすい相手でベスト8に入れたら265ポイントです。

付与されるWRポイント表

この配点の高さは出場できた選手にとってはチャンスと言えます。

WTTファイナルズ福岡2024

シングルスに男子1名、女子5名、ダブルスに男子2ペア、女子3ペアと、日本人選手が数多く出場しました。

ネット中継

試合はT1のみ(放送用の超豪華なテーブル1台だけ)で行われました。

  • WTTがYoutubeチャンネルで全試合をリアルタイム配信しましたが、日本は地域制限のため視聴できませんでした。
  • テレビ東京卓球チャンネルは全試合をリアルタイム配信しました。
  • リアルタイム視聴できなくても、おおむね24時間以内にはテレビ東京卓球チャンネルにアップされました。ありがたいです。
  • BSテレ東で一部の試合が生中継と録画で放送されました。

大会開催前

ドローセレモニー後に撮られたと思われるインタビュー。率直な気持ちを話してくれています。必見です。

報道陣に次のように語ったようです。

「まだプレーには制限がある中での出場にはなると思うんですけど、その中で今だからできること、自分の中で目標立ててやってきた部分はあるので、そういったいつもと違う早田ひなの部分をもしかしたらあるかもしれないので、そういった部分を楽しみに見ていただけたらと思います。」

引用:「いつもと違う部分を見てほしい」卓球の早田ひな選手 地元の北九州市で復帰戦「WTTファイナルズ」出場 パリ五輪で左腕負傷

開幕前日にシングルス出場選手16名を小倉城に案内しておもてなし。

シングルス出場選手16名が小倉城を背景に記念写真

引用:国際卓球連盟のXポスト

選手の皆さん、楽しそう。

元気そうで良かった。

早田ひな選手からのメッセージ。

シングルス出場選手

世界ランク上位16名がびっしり揃っています。早田ひな選手はWR5位ですが陳夢選手が辞退したため第4シードでした。

シングルス出場選手

日本人選手で出場したのは早田ひな選手、張本美和選手、大藤沙月選手、平野美宇選手でした。

ドロー

ドローの様子はYouTubeで生配信されました。

早田ひな選手は初戦でベルナデッテ・セーチ選手と、準々決勝で大藤沙月選手か伊藤美誠選手と対戦するドローになりました。

ドロー結果

引用:テレ東卓球情報のXポスト

試合結果:ベスト16

初戦でセーチ選手に敗れてベスト16でしたが、コート(試合)に戻ってこれただけで十分でした。まだバックハンドを満足に振れない状態の中、最大限のパフォーマンスを発揮してくれました。試合後のミックスゾーンでのインタビューで、負けたけど悔いはない、120点の内容と話していました。

Round 16

ルーマニアのベルナデッテ・セーチ選手との対戦でした。WTTチャンピオンズフランクフルト2023の準々決勝で対戦してギリギリのところで勝っています。

ルーマニアのベルナデッテ・セーチ選手

バックハンドに制限が多く、仕上がっているセーチ選手に負けてしまいましたが、負けた悔しさより試合に復帰できたうれしさが優りました。

セーチ選手との対戦のスコア表

  • 第1ゲーム、バックハンドを強く振れないようでバックハンドはブロック、カットブロックが多く、フォアハンドにミスが続いてリードを許す展開になります。それでも4-8から10-9と先にゲームポイントを握って吠えます。そこからミスが続いて10-12でこのゲームを落としてしまいます。
  • 第2ゲーム、バックハンドで攻撃的プレーができないため、点を取りに行くのはフォアハンド主体になります。その制約の中7-7まで競りますが、セーチ選手に押し切られて7-11でこのゲームも落とします。
  • 第3ゲーム、点差が開かない展開が続き6-6まで競ります。そこからロングサーブで攻めて流れをつかみ、11-6でこのゲームを取り返します。
  • 第4ゲーム、6-7まで競りますがそこからセーチ選手に押し切られてしまい6-11で落とし、初戦敗退となりました。

バックハンドを強く振れない状態で、セーチ選手を相手にしてここまでの戦いができたのは素晴らしかったです。早田ひな選手らしいプレーもたくさんありましたし、本当に楽しそうに試合をしていました。

なおこの試合のベンチに入ったのは(予想通り)金恵美コーチでした。

フル動画、日本語実況解説付き。

フル動画。

ハイライト。

ミックスゾーンでのインタビュー。必見です。

その中で話していたこと。

  • 私の中では本当に練習したことを全部出せたんじゃないかなっていうような試合だった。
  • 1ゲーム取れたのもすごく嬉しかったですし、120点ぐらいかなっていうのは思っています。
  • 休養中に行われていた試合の結果は見たりとかしていて、早くそういう舞台に復帰したいなって思っていた。
  • 今回こうやって地元で試合ができるっていうことで、それに向けてこう頑張ってきた部分はあって、負けてしまったんですけど今日の負けは全然悔いはないかなって。
  • やりきって皆さんの前でプレーできたことが本当に良かったです。

引用:ミックスゾーンでのインタビュー

試合結果を伝える記事。

怪我からの復帰戦でコートを元気に駆け回り、笑顔を見せる早田ひな選手。

まとめ

  • パリオリンピック後、102日ぶりに試合に復帰できました。地元福岡で開催されたファイナルズだったので、試合に勝つことよりも元気な姿をファンに見せたい気持ちが強かったことでしょう。
  • 試合に復帰できたものの、まだバックハンドは強く振れない、制約のある中での試合になりました。仕上がりの良いセーチ選手に勝つことはできませんでしたが、現状で出せる最大限のパフォーマンスを発揮してくれたと思います。
  • バックハンドを強く振れないためですが、バックハンドでできる技術で強化してきたに違いないプレーをたくさん披露してくれました。それはバックハンドが自在に使えるようになってからも武器になるはずです。
  • 試合後のミックスゾーンでのインタビューから、この大会で設定した目標は達成できたことが伺えました。
  • 試合中に笑顔をたくさん見れたし、得点時の咆哮も数多く聞くことができて良かったです。

次の大会はまだ決まっていないとのことですが、来年1月に開催される全日本選手権(シングルスの部)でさらに元気になった姿を見たいです。

おまけ

初戦で負けた翌日の夕方に、早田ひな選手のサイン会(オートグラフ・セッション)が開催されました。長蛇の列ができたそうです。

大会終了後

Xにポストされた早田ひな選手のメッセージ。「次の大会」は全日本選手権(シグルスの部)かな。

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