2021年からWTTが主催する国際大会が始まりました。WTTコンテンダードーハはその最初の大会でした。
東京オリンピック開催まで半年を切っていたこともあり、早田ひな選手が出場したのはシングルスとダブルスのみ、そしてダブルスはみまひなペアではありませんでした。
*アイキャッチ画像はWTT公式サイトからの引用です。
WTTコンテンダー
- シニア向けWTTシリーズの最下位大会です。
- 年間最大14大会開催可能です。
- 本戦4日、予選2~3日の日程で選手によっては1日に4試合に出場します。
- シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
- シングルスの本戦は32名、うち8名は予選を通過した選手。
- 予選人数は48、64、96名から開催国が選択します。
- ダブルス本戦16ペア、うち4ペアは予選を通過したペア。
- 混合ダブルス8ペア(予選なし)。
- シングルスは各協会から4名までしか出場できません。また世界ランク21位以降の上位者から優先出場となっています。
- 世界ランク20位以内の選手は、全体で4名しか出場できません。
- 前6週以内にグランドスマッシュまたはチャンピオンズに出場した選手は優先度が下がります。
- シングルスの準決勝、決勝のみ7ゲームマッチ、他はすべて5ゲームマッチ。
- 優勝選手には400ポイントが付与されます。
ところが実際に出場している選手の顔ぶれを見ると、このルールが厳密に運用されていないことにびっくりします。
WTTコンテンダードーハ2021
- 期間:2021年2月28日から3月6日
- 場所:カタールのドーハ(日本との時差6時間、現地10:00が日本の16:00)
- 出場種目:シングルス、ダブルス
- 参照:WTT公式サイト
ネット中継
- WTTがYoutubeチャンネルでリアルタイム配信しました。
- テレビ東京卓球チャンネルが本戦のみリアルタイム配信しました。
- リアルタイム視聴できなくても、おおむね24時間以内にはテレビ東京卓球チャンネルにアップされました。ありがたいです。
シングルス出場選手
本戦から出場する24名の顔ぶれです。世界ランク20位以内の選手は全体で4名までしか出場できないとされていますが、7名います。
早田ひな選手はWR29位でシード外でした。
今大会に中国人選手は出場していません。東京オリンピックに出場する伊藤美誠選手、石川佳純選手、平野美宇選手がいる中、どこまで戦えるか楽しみな大会でした。
シングルス:準優勝
早田ひな選手はR16で石川佳純選手に当たる厳し目のドローでした。もう少し後のラウンドで当たりたかったです。
早田ひな選手は決勝で伊藤美誠選手に負けて準優勝、獲得したWRポイントは280でした。
Round 32(1回戦)
ルーマニアのサマラ選手との対戦でした。危ない試合でした。サマラ選手強かったです。
最終第5ゲーム9-9まで競る展開でしたが、勝ち切れて良かったです。
フル動画は見つかりませんでした。
ダイジェスト。
Round 16(2回戦)
東京オリンピック出場を決めている石川佳純選手との対戦でした。難しい試合でしたが、勝てて良かったです。
- 第1ゲーム、両者譲らずデュースになりますが、早田ひな選手が取ります。
- 第2ゲーム、序盤5-0とリードしますが8-8と追いつかれ、このゲームを落とします。
- 第3ゲーム、ラリー戦は互角ながら序盤のリードを守って11-7で取ります。
- 第4ゲーム、石川佳純選手の逆襲にあい1-6と大量リードされます。2-9から強気の攻めで追い上げますが、6-11で落とします。ゲームカウント2-2で勝負は最終ゲームへ。
- 最終第5ゲーム、ラリー戦でのコース取り、強気のレシーブで得点を重ね、運も味方にして11-4で勝ち切り、難しかった試合をものにしました。
実力伯仲、どっちが勝ってもおかしくない試合でした。
フル動画。
ダイジェスト。
スーパーラリー。
準々決勝
ドイツのシャン・シャオナ選手との対戦でした。この試合も危なかったです。
- 第1ゲーム、ラリー戦に打ち勝って11-8で取りますが、シャン・シャオナ選手は反応が速く手強いです。
- 第2ゲーム、ミスが増えて流れをつかめず5-11であっさり落とします。
- 第3ゲーム、苦しい展開の中8-8まで競りますが、ミスと不運なネットで落としてしまいます。ゲームカウント1-2と追い込まれます。
- 第4ゲーム、1点取るのにも苦労する我慢の展開が続いて9-8まで競りますが、なんとか取ります。勝負は(3試合連続の)最終ゲームへ。
- 最終第5ゲーム、シャン・シャオナ選手のネットミスが増え5-1と大量リードします。その後も流れを離さず11-3で勝ち切りました。
苦戦しましたが、勝てて良かったです。
フル動画。
ダイジェスト。
スーパープレー。
準決勝
今大会ダブルスを組んでいる木原美悠選手との対戦でした。
- 第1ゲーム、コース取りが良く木原美悠選手がミスを連発して10-2と大量リードでゲームポイントを握ります。そこから追い上げられますが、11-6で取ります。
- 第2ゲーム、接戦になり4-4まで競りますが、プレーの精度が高かった早田ひな選手が11-6で取ります。
- 第3ゲームもコース取りが良く、ミドルへの攻めも効いて8-2と大量リードします。最後追い上げられますが、11-6(3ゲーム連続このスコア)で取ります。
- 第4ゲーム、木原美悠選手の攻撃が決まるようになり、7-10と先にゲームポイントを握られますが、攻めの姿勢を崩さずデュースに持ち込みます。木原美悠選手も粘りを見せますが、17-15でこのゲームも勝ち切り、決勝進出を決めました。
早田ひな選手は今大会で一番頭が冴え、プレーの精度も高かった印象です。
フル動画。
ダイジェスト。
スーパーラリー。
決勝
伊藤美誠選手とは、1月の全日本選手権大会準決勝以来の対戦となりました。
- 第1ゲーム、ほとんどの得点が3球以内に決まる試合運びで9-9まで競りますが、勝負どころでの詰めが甘く9-11で落とします。
- 第2ゲーム、第1ゲームと同じような形で進み、8-11で落とします。攻め方に工夫が欲しいですね。
- 第3ゲームは早田ひな選手優位で進みます。伊藤美誠選手にミスが増えて11-6で取り返します。
- 第4ゲーム、早田ひな選手はサーブからの組み立てが良くなり10-7とゲームポイントを握ります。また最後差を詰められますが、11-9で取ってゲームカウントを2-2にします。
- 第5ゲーム、ややサーブが効かなくなり、接戦になります。8-9まで競りますが、このゲームを落としてしまいます。ラリー戦は全部得点にするぐらいでないと勝てないですね。
- 第6ゲーム、頭と体が疲れたのかプレーに精彩を欠いて11-6であっさり落としてしまいます。ゲームカウント2-4での敗戦でした。
今日の出来(調子)だと、7ゲーム先取の試合でも勝てないと思いました。自身に足りないものが何かを教えてくれる、最強のライバルですね。
フル動画。
ダイジェスト。
表彰式。
ダブルス:ベスト4
今大会、みまひなペアではなくて、木原美悠選手と組んだ「みゆうひなペア」でした。伊藤美誠選手はダブルスには出場していません。
木原美悠選手は、戦型的には伊藤美誠選手と同じバック表の右利きで、伊藤美誠選手の大型版とも言われていますから、ペアの相性はいいと思われます。
みゆうひなペアは準決勝でかすみうペアと当たるドローでした。そのかすみうペアに負けて、ベスト4でした。
Round 16(1回戦)
大藤沙月/横井咲桜ペアとの対戦でした。
接戦でしたが、勝てて良かったです。みゆうひなペアもいいですね。
フル動画は見つかりませんでした。
ダイジェスト。
準々決勝
タイのスターシニー/オラワンペアとの対戦でした。
第3ゲーム、悪い流れを断ち切れず1-10と大量リードされたのは反省点ですが、勝てて良かったです。
フル動画。
ダイジェスト。
準決勝
かすみうペアとの対戦でした。
- 第1ゲーム、接戦になりますが、デュースの末に12-14で落とします。
- 第2ゲーム、ラリーになる前のかすみうペアのミスが増え、ラリーの打ち合いを制したみゆうひなペアが11-5で取り返します。
- 第3ゲーム、接戦になり6-7まで競りますが、そこからミスが出て7-11で落としてしまいます。
- 第4ゲーム、立ち上がりはみゆうひなペアが優勢でしたが、その後追いつかれて8-8に。そこからミスを連発して8-11で落とし、ゲームカウント1-3での敗戦となりました。
少しもったいない試合でしたが、実力相応の結果ですね。
フル動画。
ダイジェスト。
まとめ
- シングルスは決勝で伊藤美誠選手に負けて準優勝でした。勝てない相手ではないものの、実力を100%出せないと勝てないですね。
- みゆうひなペアはかすみうペアに負けてベスト4でした。今大会でこのペアを試した意図は想像するしかありませんが、僕は十分将来性があると思いました。