2021年9月からカタールのドーハで開催される、アジア卓球選手権ドーハ大会の出場メンバーは、選考会で選出されました。対象者はシングルス5名で、東京オリンピック出場者はその資格を付与されていたので、選考会としては残る2名の争いでした。
が、実際には伊藤美誠選手、石川佳純選手、平野美宇選手は揃ってアジア卓球選手権ドーハ大会への出場を回避したため、この選考会の上位5名が出場することになりました。
*アイキャッチ画像はテレビ東京卓球チャンネルからの引用です。
選考方法
選考会に出場した24名が2つのステージで戦い、1位から10位までを決定する過酷な選考会です。
- 第1ステージ:24名を8グループに分け、3名ずつのリーグ戦を実施。
- 第2ステージ:各グループ1位、2位の計16名でトーナメント戦を実施。10位まで順位決定戦を実施。
- 全試合5ゲームマッチ。
ステージを分けないで、シードとドローで普通に、全試合7ゲームマッチのトーナメントとしたので良かったのでは、と思いました。
大会情報
- 期間:2021年6月17日、18日
- 場所:千葉県 旭市総合体育館
- 参照:日本卓球協会の公式ページ
ネット中継
テーブルは全部で8台ありましたが、テレビ東京卓球チャンネルが2テーブルをネット中継してくれました。中継予定の試合が終わっても、他のテーブルで試合が進行中だったらそちらを映してくれるなど、2ストリームしかない中で最大限の配慮をして頂き、感謝しかありません。
出場選手
数字はシード順です。早田ひな選手は第1シードでした。
開会式とドローです。
第1ステージ:リーグ戦
選手3名のリーグ戦なので2試合戦います。早田ひな選手はともに勝って1位通過しました。
グループA 第1試合
中森帆南(四天王寺高校)選手との対戦でした。中森帆南選手はバック表の前陣速攻型です。勝てましたが、ちょっと心配しました。
実力差が大きいと、相手はリスクの高さを無視した攻撃を仕掛けてきます。負けて当然と思っているからです。第2ゲームと第4ゲームは対処の仕方が良くなくて落としてしまいました。そこが反省点ですね。
フル動画。
グループA 第2試合
平真由香(昭和電工マテリアルズ)選手との対戦でした。この試合も勝って、第2ステージに進みました。
フル動画。
第2ステージ:トーナメント戦
16名によるトーナメント戦です。
Round 16(1回戦)
南波侑里香選手との対戦でした。南波侑里香選手はバック表の前陣速攻型です。この試合は危なかったです。
- 第1ゲーム、接戦になりデュースの末12-10で辛くも取ります。
- 第2ゲーム、サーブミス2本などミスを連発し流れをつかめません。自滅に近い形で落としてしまいます。
- 第3ゲーム、攻撃時のオーバーミスが目立つ苦しい展開が続き、6-10とゲームポイントを握られます。そこから追い上げますが、9-11でこのセットも落としてしまい、ゲームカウント1-2と後がなくなります。
- 第4ゲーム、苦しい展開が続きますが、ようやく攻撃が連続して決まるようになり11-6で取り返します。会場に響き渡る石田大輔コーチの声が、早田ひな選手を後押しします。
- 最終第5ゲーム、苦しみながらも9-5とリードしますが、ここから攻撃時のオーバーミスを連発して9-9になります。最後レシーブ2本を取りきって、苦しかった試合をものにしました。いやあ危なかったですね。
勝てて良かったです。
フル動画。
1日目インタビュー。
準々決勝
加藤美優選手との対戦でした。この試合も危ない展開でした。
- 第1ゲーム、早田ひな選手が精度が高いプレーで流れをつかみ、11-1で取ります。
- 第2ゲーム、レシーブからの展開が悪くリードを許す展開になり、そのまま7-11で落とします。
- 第3ゲームもリードを許す苦しい展開が続き、8-10とゲームポイントを握られます。そこからデュースに持ち込み、なんとか17-15でこのゲームを取ります。
- 第4ゲームもリードを許す展開になります。両者譲らず9-9まで競りますが、最後苦労したレシーブ2本を取り切って、この試合をものにします。
この選考合宿、苦しい試合が続きますね。
フル動画。
準決勝
同じ日本生命所属の長﨑美柚選手との対戦でした。
この試合、所属が同じ選手同士の対戦のため、ベンチコーチがいません。
- 第1ゲーム、長いラリーにならない展開が進みますが、接戦で9-9まで競ります。これを11-9で取ります。
- 第2ゲームも接戦になりますが、10-8でゲームポイントを握り、そのままこのゲームを取ります。実力は拮抗しています。
- 第3ゲームも接戦になり10-8でゲームポイントを握ります。サービスエラーで10-9となりますが、このゲームも取って試合に勝利します。勝敗を分けたのは、勝負どころでのプレーの精度だったでしょうか。
長崎美柚選手、強かったです。逆の結果になっていてもおかしくなかったですね。
フル動画。
決勝
安藤みなみ選手との対戦でした。安藤みなみ選手はバック表の前陣速攻型です。
- 第1ゲーム、序盤から激しい打ち合いになりますが、ラリーの多くで得点できないまま3-11で落とします。
- 第2ゲーム、徹底して安藤みなみ選手のミドルを攻めます。展開が良くなり、ラリーでのミスが減って11-7で取り返します。
- 第3ゲーム、サーブはミドルとフォアを混ぜて的を絞らせず、ラリーは緩急を付ける工夫でリードします。このゲームも取ってゲームカウントを2-1とします。
- 第4ゲーム、サーブ、ラリーともにコースを工夫して得点を重ね、9-3と大量リードします。10-5でチャンピオンシップポイントを握り、安藤みなみ選手の追い上げを振り切って11-7で勝ち切り、見事優勝しました。
第2ゲーム以降、安藤みなみ選手の得意パターンにさせない攻め方が良かったです。
フル動画。
優勝インタビュー。必見です。
代表権獲得コメント。
最終順位
この選考合宿の結果、上位2名の早田ひな選手と安藤みなみ選手が、アジア選手権大会の代表に選出されました。この時点では、(当然ながら)東京オリンピック出場権を持つ3名が、9月のアジア卓球選手権を回避することは分かっていませんでした。そしてこの選考合宿の上位5名が、3ヶ月後にアジア卓球選手権に出場し、素晴らしい結果を残しました。
大会終了後
早田ひな選手のツイート。
アジア選手権選考会では沢山の応援ありがとうございました🙇♀️✨
久しぶりの試合で厳しい場面もありましたが優勝して代表権を得る事が出来ました😊
課題もたくさん見つかったので9月の本戦に向けてまた頑張ります。これからも応援宜しくお願いします🐤 pic.twitter.com/9bPzBD6Xwp— 早田ひな (@hayata_hina) June 18, 2021
まとめ
- 早田ひな選手は見事優勝して目標を達成し、アジア選手権大会の代表権を得ました。1位通過したことで、結果的にアジア選手権大会でシングルスに出場することができました。シングルスには2名しか出場できないので、この選考合宿で優勝した意味は大きかったです。
- 全部で6試合を戦いましたが、危なかった試合も多かったです。不運が重なると違った結果にもなったことでしょう。実力を発揮して優勝でき、本当に良かったです。