2022年7月にブダペストスマッシュの開催が予定されていましたが、開催1ヶ月前に急遽キャンセルになりました。代わりにWTTスターコンテンダーESSとWTTチャンピオンズESSの連続開催となりました。WTTチャンピオンズは初開催でした。
WTTチャンピオンズは世界ランクの上位30名を対象にした招待制の大会です。
早田ひな選手は準々決勝で陳夢選手にあと一歩及ばずベスト8でした。
*アイキャッチ画像はWTT公式サイトからの引用です。
WTTチャンピオンズ
- シニア向けWTTシリーズの上から3番目の大会です。
- 男女それぞれ年間最大4大会開催可能です。
- 本戦6日、予選はありません。
- シングルスのみ実施。出場人数は30名+ワイルドカード1名+WTT推薦1名の合計32名。
- 各協会から4名までしか出場できません。
- 世界ランクによる出場制限はありません。
- 出場資格を持つ選手が病気や怪我以外の理由で辞退した場合、ペナルティの対象となります。
- 準決勝、決勝のみ7ゲームマッチ、他は5ゲームマッチ。
- 試合はテーブル1台のみで進行されます。
- 優勝選手には1,000ポイントが付与されます。
ところが実際に出場している選手の顔ぶれを見ると、このルールが厳密に運用されていないことにびっくりします。
WTTチャンピオンズESS2022
ESSはヨーロピアン・サマー・シリーズの略です。
- 期間:2022年7月18日から23日
- 場所:ハンガリーのブダペスト(日本との時差7時間、現地10:00が日本の17:00)
- 出場種目:シングルス
- 参照:WTT公式サイト
- パリ五輪選考ポイント付与対象ではありません。
ネット中継
試合はT1のみ(放送用の超豪華なテーブル1台だけ)で行われました。
- WTTがYoutubeチャンネルで全試合をリアルタイム配信しました。
- テレビ東京卓球チャンネルは全試合をリアルタイム配信しました。スピンオフ企画の副音声的解説もありましたし、卓球ジャパンは張本智和 vs 林高遠の決勝戦を時間差中継しました。
- リアルタイム視聴できなくても、おおむね24時間以内にはテレビ東京卓球チャンネルにアップされました。ありがたいです。
出場選手
前週開催されたWTTスターコンテンダーESSを、右肩の故障で棄権した陳夢選手も、右脚の状態が心配された王曼昱選手も予定通り出場しました。
早田ひな選手はWR6位で第6シードでした。
中国人選手は5名出場しました。日本人選手は伊藤美誠選手、早田ひな選手、石川佳純選手、木原美悠選手の4名が出場しました。平野美宇選手はエントリー時の世界ランクが低かったため出場できませんでした。
結果:ベスト8
早田ひな選手はR16で石川佳純選手に当たるドローでした。石川佳純選手に絶対に勝って、準々決勝まで進むのが最低限の目標だったはずです。
早田ひな選手は期待通り準々決勝に進みましたが、陳夢選手に勝てませんでした。結果ベスト8、獲得したWRポイントは175でした。
Round 32(1回戦)
韓国のカットマン、徐孝元(ソ・ヒョウォン)選手との対戦でした。
3-1で勝ちましたが、楽勝ではありませんでした。負けていたら(シングルス種目しかない)今大会が暗転するところでした。
- 第1ゲームはカット打ちのミスが少なく、危なげなく取ります。
- 第2ゲームは攻撃でオーバーミスが目立ち7-10と劣勢になりましたが粘って取りました。11-12の場面は危なかったです。
- 第3ゲームはレシーブ、攻撃共にミスが増え、デュースの末に落とします。
- 第4ゲームも我慢のプレーが続きますが、なんとか勝ち切りました。
早田ひな選手はカットマンを苦手にしていないはずなのですが、この試合は手こずっていた印象です。勝てて良かったです。
フル動画。
ダイジェスト。
早田ひな選手の「なに?」という表情。アダムの実況がいい。
この試合のスーパープレー。
Round 16(2回戦)
石川佳純選手とは第1回パリオリンピック選考会の準々決勝以来の対戦でした。
いろんな意味で負けられない試合でした。
- 第1ゲームはサーブ、レシーブが甘く石川佳純選手に強打されるシーンが目立ち、あっさり落とします。
- 第2ゲームも1-5と先行されますが、ここから簡単に強打されなくなり、ラリーも落とさなくなって8連続得点して取ります。
- 第3ゲームは第2ゲーム後半の流れのままリードを保って取ります。
- 第4ゲームは再度接戦になりますが、ラリーでも負けなかった早田ひな選手が勝ち切りました。9-8からの1点が勝負を分けたように見えました。
第2ゲーム序盤まで石川佳純選手のペースでやばいと思いましたが、そこから試合の流れを引き戻し、勝てて良かったです。
フル動画。
ダイジェスト。
熱いラリー。
この試合のスーパープレー。
試合後のインタビュー。
準々決勝
陳夢選手との対戦でした。過去の対戦成績は陳夢選手の3戦3勝です。
陳夢選手は右肩の故障明けで万全な状態ではなかったのですが、それでも強かったです。
- 第1ゲームはサーブが効いたしラリーも互角で危なげなく取ります。
- 第2ゲームは早田ひな選手にミスが増えて落とします。
- 第3ゲームは接戦になりますが、ラリー力に優る陳夢選手が取ります。
- 第4ゲームはラリーは互角でしたが、サーブが良かった早田ひな選手が競り勝ちます。
- 最終第5ゲームは8-8の接戦になりますが、あと一歩及ばず陳夢選手に押し切られました。
陳夢選手は万全の状態ではなかったとは言え、あと少しで倒せるところまで戦えました。この試合は早田ひな選手にとって、現状を確認する上でまたとない機会になったことでしょう。
フル動画。
上田仁&松平健太の解説付きフル動画。
ダイジェスト。
ラリー集。
この試合のスーパープレー。
大会を終えての感想。「自分が超えていかないといけない部分ってのもたくさん見つかったので、そこは本当に良い大会だったかなと思います。」
まとめ
- R16で石川佳純選手を倒して準々決勝に進みました。石川佳純選手にしっかり勝てて良かったです。
- 準々決勝では陳夢選手にあと一歩及ばず勝てませんでしたが、収穫の大きい試合だったはずです。
大会終了後
早田ひな選手のツイートです。
WTTヨーロッパサマーシリーズ 2大会を終え日本に帰ってきました🇯🇵🌱 pic.twitter.com/VdB1VSZ7Ja
— 早田ひな (@hayata_hina) July 26, 2022
また、石田大輔コーチのインスタによると、WTTコンテンダーザグレブから今大会終了までずっとヨーロッパに滞在(遠征)していたそうです。大会のない期間はドイツで練習していたみたいですね。