WTTコンテンダーは世界ランク21位以下の選手向けの大会ですが、国際大会が満足に開催されていないため、世界ランク10以内の選手もチャンスがあれば積極的に参加しているのが現実です。
早田ひな選手は、シンガポールスマッシュ2022以来の国際大会出場でした。
ダブルス、混合ダブルスは優勝できましたが、シングルスはR16で平野美宇選手に負けてしまい、悔いの残る大会となりました。
*アイキャッチ画像はWTT公式サイトからの引用です。
WTTコンテンダー
- シニア向けWTTシリーズの最下位大会です。
- 年間最大14大会開催可能ですが、2022年年初から6月末までの開催数はわずか4です。
- 本戦4日、予選2~3日の日程で選手によっては1日に4試合に出場します。
- シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
- シングルスの本戦は32名、うち8名は予選を通過した選手。
- 予選人数は48、64、96名から開催国が選択します。
- ダブルス本戦16ペア、うち4ペアは予選を通過したペア。
- 混合ダブルス8ペア(予選なし)。
- シングルスは各協会から4名までしか出場できません。また世界ランク21位以降の上位者から優先出場となっています。
- 世界ランク20位以内の選手は、全体で4名しか出場できません。
- 前6週以内にグランドスマッシュまたはチャンピオンズに出場した選手は優先度が下がります。
- シングルスの準決勝、決勝のみ7ゲームマッチ、他はすべて5ゲームマッチ。
- 優勝選手には400ポイントが付与されます。
ところが実際に出場している選手の顔ぶれを見ると、このルールが厳密に運用されていないことにびっくりします。
WTTコンテンダーザグレブ2022
- 期間:2022年6月13日から19日
- 場所:クロアチアのザグレブ(日本との時差7時間、現地10:00が日本の17:00)
- 出場種目:シングルス、ダブルス、混合ダブルス
- 参照:WTT公式サイト
- パリ五輪選考ポイント付与対象ではありません。
ネット中継
- WTTがYoutubeチャンネルでT1からT4をリアルタイム配信しました。
- テレビ東京卓球チャンネルはT1とT2をリアルタイム配信しました。
- 観たい試合がT3、T4だった場合、以前は本家WTTのチャンネルで視聴できたのですが、今回はできなくなっていました。
- リアルタイム視聴できなくても、おおむね24時間以内にはテレビ東京卓球チャンネルにアップされました。ありがたいです。
シングルス出場選手
本戦から出場する23名の顔ぶれです。世界ランク20位以内の選手は全体で4名までしか出場できないとされていますが、6名います。
早田ひな選手はWR5位で第1シードでした。
中国人選手は本戦1名、予選7名の合計8名でした。
シングルス:ベスト16
早田ひな選手はR16で平野美宇選手に当たる厳し目のドローでした。もう少し後のラウンドで当たりたかったです。それに、早い段階での同士討ちはもったいないですよね。
その平野美宇選手に負けてベスト16、獲得したWRポイントは35でした。
Round 32(1回戦)
ウインター選手とはダブルスの決勝でも対戦しました。
早田ひな選手は動きが良く、安定感がありました。
フル動画。
ダイジェスト。
Round 16(2回戦)
平野美宇選手とはもう少し後に当たりたかったですね。
第3ゲームを7-1から逆転されて落としてしまったのが痛かったです。平野美宇選手のメンタル、強靭ですね。
- 第1ゲーム、ミスが多くあっさり落とします。
- 第2ゲームはミスが減り、強打での得点が増え、大量リードで取ります。
- 第3ゲーム、思い切りの良い攻撃で7-1とリードしますが、そこからズルズルと失点し、修正できないまま落とします。
- 第4ゲームは接戦になりますが、最後は3連続得点で取ります。
- 最終第5ゲームは両者譲らず9-9まで競りますが、最後に得点できず負けてしまいます。実にもったいない負け方でした。
早田選手は、勝てた試合を落としてしまったと認識していることでしょう。
フル動画。
ダイジェスト。
この試合のスーパープレー。
卓球ジャパンのDEEP解説。
ダブルス:優勝
今大会には孫穎莎/王曼昱ペアは出場しなかったので、みまひなペアの優勝が強く期待されました。準決勝で蒯曼/陳熠ペアと当たるドローでした。
その期待どおりに優勝しました。
Round 16(1回戦)
バヨル/モレの国際ペアとの対戦でした。
勝てましたが、危なかったです。みまひなペアは絶不調でした。
フル動画。
ダイジェスト。
準々決勝
マダラース/ポータのハンガリーペアとの対戦でした。
勝てましたが、みまひなペアは不調なままで、勝てたのが不思議なくらいです。
フル動画。
ダイジェスト。
みまひなペアの華麗なサーブ11連発。
準決勝
今大会の中国ペアは蒯曼/陳熠だけでした。18歳・17歳の若手ペアです。
勝てましたが、課題の多い試合でした。
- 第1ゲームは接戦でしたが、なんとか取ります。みまひなペア、不調です。
- 第2ゲーム、調子が上がらないまま落とします。
- 第3ゲーム、中盤まで競った展開でしたが、そこから連続得点で取ります。
- 第4ゲームは8-1と楽な展開かと思いましたが、9-7まで迫られます。勝てはしたものの、危ない試合でした。
フル動画。
ダイジェスト。
決勝
シャン シャオナ/ウィンターのドイツペアとの対戦でした。
勝って優勝できましたが、みまひなペアの脆さが出た大会になりました。
- 第1ゲーム、接戦をなんとか踏ん張って取ります。調子、良くないです。
- 第2ゲームは大量リードで取ります。
- 第3ゲーム、接戦を踏ん張れずに落とします。
- 第4ゲーム、10-3と大量リードしますが、そこから6連続失点で10-9と追い上げられます。最後は早田ひな選手のサービスエースで勝ちますが、負けてても不思議ではない試合でした。
フル動画。
ダイジェスト。
表彰式。
みまひなペアは国際大会4年ぶりとなる優勝。
混合ダブルス:優勝
今大会には王楚欽/孫穎莎ペアは出場しなかったので、はりひなペアの優勝が強く期待されました。準決勝でうだみまペアと当たるドローでした。
はりひなペアは期待どおりに優勝しました。
うだみまペア初登場でした。(過去にエントリーするもキャンセルになっていました。)
Round 16(1回戦)
ロッシ/ピッコリンのイタリアペアとの対戦でした。
快勝でした。
フル動画。
ダイジェスト。
早田ひな選手が試合を楽しんでいる様子。
準々決勝
ガルドシュ/ポルカノバのオーストリアペアとの対戦でした。
第2ゲームは接戦でデュースになりましたが、勝ち切りました。はりひなペア、好調です。
フル動画。
ダイジェスト。
準決勝
もちろん、はりひなペア vs うだみまペアは初めてです。
好調のはりひなペアは第2ゲーム以降ペアの習熟度の高さを発揮し、うだみまペアを圧倒しました。
- 第1ゲーム序盤、張本智和選手が伊藤美誠選手のボールの処理に手こずり5-9とリードされます。終盤差を詰めますが、落とします。
- 第2ゲームは早田ひな選手が伊藤美誠選手のボールを受け、伊藤美誠選手が張本智和選手のボールを受けるパターン。形勢が逆転し、大量リードで取ります。
- 第3ゲーム、第1ゲームで苦労したパターンですが、張本智和選手は伊藤美誠選手のボールのミスが激減し、11-7で取ります。
- 第4ゲーム、はりひなペアに分があるパターン。伊藤美誠選手は張本智和選手のボールの処理に苦労します。張本智和選手は徹底して伊藤美誠選手のバック側に強打して得点していました。
フル動画。
ダイジェストは見つかりませんでした。
繰り返された攻撃パターン。
決勝
黄鎮廷/杜凱琹の香港ペアです。良く対戦します。シンガポールスマッシュ2022では準々決勝でストレートで負けました。
はりひなペア、強かったです。
- 第1ゲーム、絶好調のはりひなペアが取ります。強い張本智和選手は頼りになります。
- 第2ゲーム、はりひなペアは5本のサービスエースもあり、危なげなく取ります。
- 第3ゲームも試合の流れを渡すことなく快勝します。
フル動画。
ダイジェスト。
スーパープレー2連発。
象徴的なシーン。シンクロしたガッツポーズと、長い打ち合わせ。
表彰式。
まとめ
- シングルスはR16で平野美宇選手に負けてしまい、悔いの残る大会となりました。平野美宇選手、強かったです。
- みまひなペアのダブルスは、不調ながら期待通り優勝できました。みまひなペアは調子に波がありますね。
- はりひなペアの混合ダブルスは、期待通りに優勝できました。はりひなペア、強かったです。張本智和選手は頼りになる漢でした。