世界卓球選手権大会は個人戦と団体戦が毎年交互に開催されます。2022年は団体戦ですが、コロナ禍のため4年ぶりの開催(前回開催されたのは2018年)となりました。
日本女子チームは期待通り決勝まで進んで世界最強の中国チームと対戦しましたが、ストレートで負けて準優勝(銀メダル)でした。
早田ひな選手は万全の状態ではなく、準決勝のドイツ戦で腕を痛めてしまい決勝戦を欠場しました。
*アイキャッチ画像はWTT公式サイトからの引用です。
大会の仕様
- 個人戦と団体戦が毎年交互に開催されています。奇数年は個人戦、偶数年は団体戦ですが、2022年の団体戦は4年ぶりの開催となりました。
- 日本卓球協会がオリンピックに次ぐ重要な国際大会と位置付けており、選手選考・選手団の派遣には別格のリソースを投入しています。
- 個人戦はシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
- 団体戦はシングルスのみでリーグ戦による予選ラウンドとトーナメント戦による決勝ラウンドで構成。
- 日本人のシングルス出場枠は5名。
- シングルスはRound 128から、ダブルス種目はRound 64から(ともに予選なし)と出場人数、試合数が多い。
- シングルスは7ゲームマッチ、ダブルス種目は5ゲームマッチ。
- 団体戦はシングルスのみで5ゲームマッチ。
- 同一種目は同日には1試合しか行われない日程が組まれています。
- 個人戦のみ、優勝選手には2000ポイントが付与されます。(オリンピック、グランドスマッシュと同じ。)
大会情報
- 期間:2022年9月30日から10月9日
- 場所:中国の成都(日本との時差1時間、現地10:00が日本の11:00)
- 出場種目:団体戦(シングルスのみ)
- 参照:WTT公式サイト、日本卓球協会公式サイト
ネット中継
- (ITTFが管轄する大会ですが)WTTがYoutubeチャンネルでリアルタイム配信しました。
- テレビ東京卓球チャンネルはグループリーグはT2をリアルタイム配信しました。日本チームの試合は全てT2で男子は17:00から、女子は20:00からに固定されていました。
- 決勝トーナメントはT1、T2の試合がテレビ東京卓球チャンネルで中継されましたが、準決勝あたりからWTTのYoutubeチャンネルでは配信されなくなりました。事情は分かりますが、今後を考えると少し不安を感じます。
- おおむね24時間以内にはアーカイブ動画がテレビ東京卓球チャンネルにアップされました。
またテレビ東京が地上波とBSで日本チームの試合を放送しました。
出場選手
伊藤美誠選手、早田ひな選手、長﨑美柚選手、木原美悠選手、佐藤瞳選手が出場しました。
伊藤選手は2022年年初の全日本選手権大会の優勝により、他の選手は第1回パリオリンピック選考会の最終順位により出場資格を得ました。
大会開催前
現地練習の様子。
直前インタビュー。
ドローのハイライト。アダムと早田ひな選手のやりとりは4:48から。
ドローのフル動画。
グループリーグ:1位通過
女子は6グループに分かれ、各グループが総当たりのリーグ戦を行います。各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進みますが(少し話をはしょっています)、第2シードの日本女子チームは1位通過すると決勝まで中国と当たりません。そのためグループリーグの1位通過が絶対的目標になります。今大会はドロー運が良く、実力的に1位通過は問題ないと思われました。
結果、日本女子チームはグループリーグ全勝で1位通過しました。
グループリーグハイライト。
GL1:スロバキアとの対戦
次のオーダーでした。
- 木原美悠-バラージョバー
- 伊藤美誠-ラボショバー
- 長﨑美柚-ククルコバー
- 伊藤美誠-バラージョバー
- 木原美悠-ラボショバー
チームは3-0で勝ちました。
スロバキア戦のハイライト。
初戦の結果を伝える報道。2:46から選手へのインタビューがあります。
早田選手が起用されなかったのは予想外だったというのが一般的な見方でしたが、翌日、渡辺監督がその理由について答えました。
第1試合
木原美悠選手とバラージョバー選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、オーバーミスが多く9-11で落とします。
- 第2ゲーム、接戦になり8-8まで競りますが、最後厳しいコースを攻めて11-8で取り返します。第2ゲームを取れたのが大きかったですね。
- 第3ゲーム、6-6まで競りますが、そこから流れをつかんで11-6で取ります。本来の調子が出てきました。
- 第4ゲーム、激しい打ち合いになることが増えますが、木原選手がリードを保つ展開で11-6で勝ち切りました。
初戦の第1試合を任されて緊張したはずですが、実力を発揮して勝つことができました。
フル動画。
ハイライト。
第2試合
伊藤美誠選手とラボショバー選手の対戦でした。勝てましたが、ラボショバー選手は強かったですね。
- 第1ゲーム、0-4と大量リードされますが動じることなく追い上げて11-6で取ります。
- 第2ゲーム、伊藤選手がリードを保ちますが、得意とするサーブ2本をノータッチで抜かれるなど楽な展開ではありません。また、ややミスが目立ったものの、11-8でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、ラボショバー選手の方がプレーの精度が高く、逆に伊藤選手はミスが増えて4-11であっさり落としてしまいます。
- 第4ゲーム、伊藤選手にミスが目立ち点差が広がらない展開が続きます。9-10と先にゲームポイントを握られますがデュースに持ち込んで12-10で勝ち切りました。
伊藤選手はもっと調子を上げないと勝ち進めないですね。
フル動画。
ハイライト。
第3試合
長﨑美柚選手とククルコバー選手の対戦でした。長﨑選手の快勝でした。
4年前は代表に選出されながら一度も試合に出させてもらえませんでした。今回は初戦から出場のチャンスを得て、その喜びを爆発させるかのようなプレーの連続で相手選手を圧倒しました。試合後のインタビューで答えた「すごく幸せな時間でした」に泣けました。
フル動画。
ハイライト。
GL2:ポーランドとの対戦
次のオーダーでした。佐藤選手の起用は予想通りでしたが、第2戦も早田選手の起用がなかったのは驚きました。
- 伊藤美誠-A.ベングジン
- 佐藤瞳-K.ベングジン
- 長﨑美柚-クシシェク
- 伊藤美誠-K.ベングジン
- 佐藤瞳-A.ベングジン
チームは3-0で勝ちました。
ハイライト。
試合後のインタビュー。
2戦目も早田選手を起用しなかったことについて、渡辺監督はこう答えています。
一方で、早田は2試合続けて不出場でベンチ。この起用法について渡辺監督は試合後の取材エリアで「今回、予選があって決勝トーナメントがあって、たくさん試合をしながら中国選手に挑んでいきたい。今の日本選手は層が厚く、みんな調子もいい。今後、早田選手にも出番はくるので、他の選手にも出てもらった感じです」と中国との決戦をにらんだものであると語った。
第1試合
伊藤美誠選手とA.ベングジン選手の対戦でした。ストレート勝ちでしたが、ややミスが多かったです。
もっと強い相手だと、プレー内容も良くなるでしょうか。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第2試合
佐藤瞳選手とK.ベングジン選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、接戦になり9-9まで競りますが運も味方に付けて11-9で取ります。
- 第2ゲーム、接戦で6-6まで競りますが、そこから5連続得点で11-6でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、相手選手を翻弄するプレーで10-4と大量リードしますが、そこから逆襲にあい1点差まで追い上げられます。タイムアウトで流れを切って11-9とし、大きな1勝を手にしました。
しっかり勝てて良かったです。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第3試合
長﨑美柚選手とクシシェク選手の対戦でした。長﨑選手、絶好調です。
ミスが少ない上に攻撃的なプレーで反撃を許さず、圧勝でした。素晴らしかったです。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
GL3:ハンガリーとの対戦
ハンガリーは、日本チームがいるグループ2の中でチームランキングが2番目に高いです。
次のオーダーでした。早田選手は第3戦でやっと起用されました。
- 伊藤美誠-ダリ
- 早田ひな-マダラース
- 佐藤瞳-ハルトブリッヒ
- 伊藤美誠-マダラース
- 早田ひな-ダリ
チームは3-0で勝ちました。
ハンガリー戦のハイライト。
試合後のインタビュー。
3戦目で初めて起用されたことについて、早田選手はこう説明(ネタばらし)しています。
私は他のチームメイトと違って、カザフスタンでのWTTに出てから大会に入って、その前に選考会やTリーグもあったので、前半の2試合は休養期間、強化期間とさせてもらいました。初めから自分自身はこの3戦目で、できればマダラシュ選手と試合がしたいということで調整していました。
なるほど、そうだったのですね。また、このようにも発言しています。
日本では『まだ出ないのかな』と待っている方がいたのかなと思うんですけど、自分としてはそれがプレッシャーや焦りになってもいけない。SNSから離れて、自分で集中力を高めていきました。自分自身がマダラース選手とどういう試合をするのか。それを第一に考えて調整していました。
第1試合
伊藤美誠選手とダリの選手の対戦でした。勝てましたが、まだ本調子ではないですね。
- 第1ゲーム、サーブミス3本などミスを連発し、10-12で落とします。らしくないですね。
- 第2ゲーム、ミスが多いもののダリ選手のミスに助けられて11-5で取り返します。
- 第3ゲーム、調子は上がらないままでしたが、このゲームも11-5で取ります。バックハンドのミスが目立ちます。
- 第4ゲーム、バックハンドのミスが多いものの、サーブでの得点に助けられて11-6で勝ち切ります。
3戦目でこの調子の悪さは心配になります。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第2試合
早田ひな選手とマダラース選手の対戦でした。
第1ゲームを落としますが、第2ゲーム以降はマダラース選手を圧倒しました。
- 第1ゲーム、マダラース選手の強打に対応できず5-11で落とします。調子が悪い時は両ハンドのミス(特にバックハンドのオーバーミスが多い)を修正できないままになるのですが、このゲームでは後半しっかり修正できていました。
- 第2ゲーム、バックハンドのオーバーミスがなくなり、ラリー戦も負けなくなって11-3と圧倒してこのゲームを取り返します。
- 第3ゲーム、7-5まで競った展開になりますが、そこから4連続得点し11-5で取ります。両ハンドのミスはほぼゼロで調子は普段どおりです。
- 第4ゲーム、サーブ、両ハンドドライブ、台上技術の精度が高く、11-4と圧倒してこの試合をものにします。
早田選手が希望した、マダラース選手との初戦でしたが、調整はほぼ完璧だったと言えるでしょう。得点時の咆哮がほぼありませんでしたが、決勝トーナメントではアリーナ内に響き渡るはずです。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第3試合
佐藤瞳選手とハルトブリッヒ選手の対戦でした。
快勝でした。
- 第1ゲーム、サーブが効果的、ハルトブリッヒ選手はカットボールに対応しきれず11-6で取ります。
- 第2ゲーム、終始リードする展開で11-4でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、流れをつかんで9-3と大量リードします。そこからミスが増えて10-8まで迫られますが、最後サービスエースを決めて勝ち切ります。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
GL4:ウズベキスタンとの対戦
次のオーダーでした。
- 木原美悠-マグジエワ
- 早田ひな-ハジエワ
- 長﨑美柚-エルケバエワ
- 木原美悠-ハジエワ
- 早田ひな-マグジエワ
伊藤美誠選手を温存した形ですが、両者の実力差を考えると良い判断だと思いました。
チームは3-0で勝ちました。
ウズベキスタン戦のハイライト。
試合後のインタビュー。
第1試合
木原美悠選手とマグジエワ選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、立ち上がり3-3までは競りますが、その後サーブが効いて楽な展開が続き、11-5で取ります。
- 第2ゲーム、木原選手はプレーの精度が高く、このゲームも危なげなく11-3で取ります。
- 第3ゲーム、攻撃時のミスがやや増えましたが、それでも11-5で勝ち切ります。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第2試合
早田ひな選手とハジエワ選手の対戦でした。ハジエワ選手はカットマンです。
- 第1ゲーム、接戦になり点差が開かない展開が続きますが、7-6から抜け出して11-7で取ります。早田選手はカットマンを苦手にしていませんが、今日も十分に対策をしてから試合に臨んでいたようです。
- 第2ゲーム、ハジエワ選手のボールに順応しながら打ち方を調整している感じが見てとれます。カットマンの術中にはまることなく、このゲームも11-4で取ります。
- 第3ゲーム、安定したプレーで最後まで崩れることなく11-4で勝ち切ります。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第3試合
長﨑美柚選手とエルケバエワ選手の対戦でした。エルケバエワ選手はカットマンです。
第2ゲームはミスが目立ちましたが、実力差が大きく圧勝でした。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
決勝トーナメント:準優勝
グループリーグ最終日の夜に決勝トーナメントのドローが開催されました。登壇したのはパンダでした。
その結果です。
引用:日本女子、いきなり日韓決戦。決勝トーナメントのドローはこちら
期待通り決勝に進みますが、中国に敗れて準優勝(銀メダル)でした。
引用:表彰式の動画
Round 16:韓国との対戦
韓国は田志希選手が膝の故障で早々に戦線離脱、金可英選手も不調で戦線離脱したことが響いてグループリーグで3位となりました。ラッキールーザーとして決勝トーナメントに進出しましたが、R16で日本と当たるドローになってしまいました。韓国のチームランキングは4位なので、本来なら準決勝で当たるような強いチームです。
次のオーダーでした。早田ひな選手はお休みでした。
- 伊藤美誠-キム・ナヨン
- 木原美悠-イ・シオン
- 長﨑美柚-ユン・ヒョビン
- 伊藤美誠-イ・シオン
- 木原美悠-キム・ナヨン
チームは3-0で勝ちました。
韓国戦のハイライト。
試合後のインタビュー。
韓国戦に早田選手が起用されなかったのには多くの人が驚きましたが、渡辺監督によると早田選手と話し合いをしてそうしているそうです。
第1試合
伊藤美誠選手と金娜英(キム・ナヨン)選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、サーブが金娜英選手に効かない、伊藤選手のレシーブが甘いところを強打されて失点を重ね、1-7と大量リードされます。その後もミスが多く5-11で落とします。伊藤選手、調子が上がりません。
- 第2ゲーム、普段の伊藤選手ならやらないような凡ミスも目立ち、7-7まで競ります。そこから金娜英選手のミスを誘って11-7でこのゲームを取り返します。
- 第3ゲーム、プレーの精度を上げられないまま8-7まで競りますが、運も味方に付けて11-7で取ります。
- 第4ゲーム、両ハンドのミスが減って10-6でマッチポイントを握ります。金娜英選手の追い上げを振り切って11-8で勝ち切り、苦しかった試合をものにします。
勝てて良かったです。伊藤選手、今大会は調子が上がりませんね。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第2試合
木原美悠選手と李時温(イ・シオン)選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、接戦になり8-8まで競りますが、そこからコース重視の配球でミスを誘い11-8で取ります。
- 第2ゲーム、点差が開かない展開が続きますが10-8とゲームポイントを握ります。李時温に粘られてデュースになりますが、追い上げを振り切って12-10で取ります。
- 第3ゲームも接戦になり9-9まで競りますが、10-9とマッチポイントを握ります。バックハンドのミスでデュースに持ち込まれますが、最後李時温選手のミスを誘うプレーで12-10で勝ち切ります。
勝てて良かったです。負けていてもおかしくない試合でした。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第3試合
長﨑美柚選手とユン・ヒョビン選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、ややミスが多く、甘いボールを強打されるなどして6-11で落とします。これまでの相手のようには行きません。
- 第2ゲーム、実力拮抗で接戦になり10-9まで競ります。このゲームを落とすと苦しくなるところ、打ち合いを制して11-9で取り返します。
- 第3ゲーム、プレーの精度が上がってリードを保つ展開になり、11-6でこのゲームも取ります。
- 第4ゲーム、このゲームも接戦で7-7まで競ります。最後ユン・ヒョビン選手の追い上げを振り切って11-8で勝ち切り、チームを勝利に導きました。
勝てて良かったです。第2ゲームを落としていたら分からなかったですね。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
準々決勝:スロバキアとの対戦
グループリーグ第1戦で戦ったスロバキアとの再戦になりました。
次のオーダーでした。伊藤選手と早田選手の同時起用は今大会初です。
- 伊藤美誠-ラボショバー
- 早田ひな-バラージョバー
- 長﨑美柚-ククルコバー
- 早田ひな-ラボショバー
- 伊藤美誠-バラージョバー
チームは3-0で勝ち、4大会連続のメダル獲得を確定させました。(3位決定戦がないため、ベスト4は銅メダルです。)
試合終了直後にスロバキアチームから記念写真を撮りませんかと誘われたとのことです。
引用:【世界卓球】4大会連続のメダル確定!日本女子、予選から無傷の6連勝で準決勝進出!
スロバキア戦のハイライト。
試合後のインタビュー。
第1試合
伊藤美誠選手とラボショバー選手の対戦でした。GL1で対戦しています。
- 第1ゲーム、流れをつかんで7-2と大量リードしますが、得点を決めに行く強打が安定せず9-8まで競ります。最後、ラボショバー選手の追い上げを振り切って11-9で取ります。伊藤選手の表情は硬いです。
- 第2ゲーム、ミスが減り、ラボショバー選手へのミドルへのサーブが効いて11-1と圧倒します。第1ゲーム終了後、早田選手からどんなアドバイスをもらったのでしょうか。
- 第3ゲーム、第2ゲームでの好調を維持し、伊藤選手らしいプレーも出て11-3と危なげなく取ります。
第2ゲーム以降の(伊藤選手本来の)好調さを維持したいですね。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第2試合
早田ひな選手とバラージョバー選手の対戦でした。過去に対戦したことはありません。
- 第1ゲーム、緩いボールの処理に苦労する、フォアハンドが決まらないなどミスが目立ち、6-9とリードされます。そこから両ハンドで4連続得点して10-9とゲームポイントを握り、最後はサービスエースで取ります。
- 第2ゲーム、ややミスが多いもののリードを保つ展開で11-7でこのゲームも取ります。早田選手本来の調子ではないですね。
- 第3ゲーム、バラージョバー選手に強打される回数が増え、7-10とゲームポイントを握られます。9-10まで追い上げますが、11-9で落としてしまいます。
- 第4ゲーム、接戦になり8-6まで競りますが、そこから台上技術、第1ゲームでミスした緩いボールの処理からのバックハンド、コースを突く強烈なバックハンドで3連続得点して11-6で勝ち切ります。
勝てて良かったです。次戦ではもっと調子を上げたいですね。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
早田選手の4年間での成長を伝える記事。
第3試合
長﨑美柚選手とククルコバー選手の対戦でした。GL1で対戦した時は長﨑選手の圧勝でした。
- 第1ゲーム、ミスが多くリードを許す展開になります。ククルコバー選手に強打されての失点が多く、11-6であっさり落とします。
- 第2ゲーム、攻撃が決まるようになり、流れをつかんで11-6で取り返します。
- 第3ゲーム、ククルコバー選手を攻めきれず7-10と先にゲームポイントを握られます。そこからデュースに持ち込み、13-11で取ります。このゲームを落としていたら分からなかったですね。
- 第4ゲーム、接戦になり7-7まで競りますが、そこから強気のフォアハンド2本と粘りのプレーで4連続得点し、11-7で勝ち切ります。
GL1での対戦時と大きく違って苦しみましたが、勝てて良かったです。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
準決勝:ドイツとの対戦
次のオーダーでした。伊藤選手と早田選手はカット打ちがうまいのに、ハン・イン選手を2点起用してきたのは予想外でした。
- 早田ひな-ミッテルハム
- 伊藤美誠-ハン・イン
- 木原美悠-シャン・シャオナ
- 早田ひな-ハン・イン
- 伊藤美誠-ミッテルハム
チームは3-0で勝ち、銀メダル以上を確定させました。でも試合内容は際どかったです。
ドイツ戦のハイライト。
試合後のインタビュー。
第1試合
早田ひな選手とミッテルハム選手の対戦でした。寿命が縮みました。
- 第1ゲーム、接戦になり8-8まで競りますが、勝負どころで失点してしまい9-11で落とします。両ハンドドライブの精度が低く、いつものように得点できません。
- 第2ゲーム、サーブが効いて流れをつかみ11-3と圧倒しますが、両ハンドドライブによる得点は少なかったです。
- 第3ゲーム、両ハンドの精度が低くミスを連発し、最近安定していた台上技術にもミスが出て6-11で落とします。
- 第4ゲーム、両ハンドの精度が低くラリー戦も勝てませんが、サービスエースを得点源にして11-6で取り、ゲームカウントを2-2にします。最後のフォアハンドドライブはコントロール重視で力を入れないで打ってました。
- 最終第5ゲーム、両ハンドのミスが続いて1-5と大量リードされる苦しい展開になります。そこから強気のフォアハンドドライブで2点、台上技術で2点取って5-6としますが、また5-8と点差が開きます。そこからコントロール重視のプレーで6連続得点して11-8で勝ち切り、苦しかった試合をものにしました。
両ハンドドライブの調子が極端に悪く苦戦しましたが、本人曰く「ほとんど負けの状態」から逆転で勝てて良かったです。
フル動画。最終ゲームの7-8以降が欠落しています。
フル動画、日本語実況付き。欠落ありません。
ハイライト。
第2試合
伊藤美誠選手とハン・イン選手の対戦でした。伊藤選手は世界一カット打ちが上手いと言われていますが、その通りの結果になりました。
- 第1ゲーム、5-5まで競りますがその後差を広げて11-7で取ります。
- 第2ゲーム、6-6まで競りますがその後差を広げて11-7でこのゲームも取ります。失点もしますが、負ける気はしません。
- 第3ゲーム、伊藤選手がリードを保つ展開で危なげなく11-6で勝ち切ります。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第3試合
木原美悠選手とシャン・シャオナ選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、掴んだ流れを渡すことなく11-4で取ります。木原選手のプレーは精度が高いです。
- 第2ゲーム、1-5と大量リードを許しますが追い上げて10-6とゲームポイントを握ります。シャン・シャオナ選手の追い上げを振り切って11-8でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、接戦になり5-7、9-8とリードを許す展開が続きます。9-9とした後ラリー戦で打ち負け、9-11で落とします。
- 第4ゲーム、接戦で6-6まで競りますが、その後リードを広げられ8-10とゲームポイントを握られます。ミドルを攻めてデュースに持ち込むものの、10-12で落としてしまいます。
- 最終第5ゲーム、両者一歩も譲らず7-7まで競りますが、そこから流れをつかんで10-7とマッチポイントを握ります。シャン・シャオナ選手に粘られてデュースになりますが、打ち合いを2本制して12-10で勝ち切り、チームに勝利をもたらしました。
勝てて良かったです。翌日になって分かることですが、木原選手が負けていたら大変なことになっていたと思われます。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
決勝:中国との対戦
次のオーダーでした。早田選手は起用されませんでした。
- 木原美悠-陳夢
- 伊藤美誠-王曼昱
- 長﨑美柚-孫穎莎
- 伊藤美誠-陳夢
- 木原美悠-王曼昱
チームは0-3で負け、準優勝(銀メダル)でした。出場する選手が国際大会で互角に戦えるようにならないと、中国チームは倒せないですね。
試合中継中に福澤さんから早田ひな選手は準決勝のドイツ戦で腕を痛めてしまい決勝戦を欠場した、WTTシリーズも欠場する見込みという話がありました。(帰国後の取材で左腕の状態について明かされました。)
ハイライト。
試合後のインタビュー。
表彰式。みんな笑顔。
表彰式後のインタビュー。
第1試合
木原美悠選手と陳夢選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、攻撃力が勝る陳夢選手がリードする展開になり、6-11で落とします。
- 第2ゲーム、木原選手のプレーも精度は高く、接戦になり8-8まで競ります。が、ここから陳夢選手が3連続得点して8-11でこのゲームも落とします。中国トップ選手のゲーム終盤の強さは驚異的です。
- 第3ゲーム、木原選手がリードする展開になりますが、6-6と追い付かれます。ラリー力の高い陳夢選手が6-10とマッチポイントを握ります。木原選手も追い上げますが、8-11で敗戦となりました。
木原選手の仕上がりは良く、中国のTOP4以外なら誰と対戦しても負けないのではないかと思いましたが、陳夢選手には敵いませんでした。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第2試合
伊藤美誠選手と王曼昱選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、伊藤選手がリードする展開で9-7としますが、そこから王曼昱選手が4連続得点して11-9で落とします。ラリー力の差を感じました。
- 第2ゲーム、接戦になり9-9まで競りますが、伊藤選手が最後強気の攻撃を2本決めて11-9で取り返します。
- 第3ゲーム、実力拮抗のようにも見えるし、対策されてしまっているようにも見えます。両者一歩も引かず9-9まで競ります。10-9と伊藤選手が先にゲームポイントを握りますが、こういう状況で異様に強い王曼昱選手が3連続得点し10-12で落としてしまいます。このゲームが勝負の分かれ目だったかも知れません。
- 第4ゲーム、第3ゲームの流れとはガラッと変わり、王曼昱選手がリードする展開になり、5-11で負けてしまいました。やはり研究し尽くされている印象です。このゲームだけ見ると、勝つのは容易なことではないと感じます。
王曼昱選手の強みは、技術力だけではないですね。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
第3試合
長﨑美柚選手と孫穎莎選手の対戦でした。
- 第1ゲーム、接戦になり6-7まで競りますが、そこから孫穎莎選手が抜け出し7-11で落とします。孫穎莎選手のラリー力の高さにはいつも驚きます。
- 第2ゲーム、攻撃時のミスが多く1-5と大量リードを許しますが、積極的な姿勢を維持して6-5と逆転します。が、後が続かずこのゲームも7-11で落とします。孫穎莎選手に打ちミスさせられているような気がします。
- 第3ゲーム、ラリー力に勝る孫穎莎選手がリードを広げる展開になりますが、終盤長﨑選手も4-9から7-9まで追い上げます。でも後が続かず8-11で敗戦となり、その強さを見せつける形になった中国が優勝しました。
長﨑選手は力の差を感じたと思いますが、この経験は今後の成長に活かせるはずです。
フル動画。
フル動画、日本語実況付き。
ハイライト。
おまけ
決勝戦までのスーパープレー集。
決勝戦のスーパープレー集。
日本女子チームのハイライト。1時間12分。
卓球ジャパン!世界卓球SP。
日本女子チーム。みなさん、お疲れ様でした。
まとめ
- 中国には歯が立ちませんでしたが、4大会連続で銀メダルを獲得しました。
- 選出された5名全員が複数の試合で起用されて勝利しました。選手も起用した監督も素晴らしかったです。
- 早田ひな選手は万全の状態でなかったことに加え、準決勝のドイツ戦で左腕を痛めてしまい決勝戦を欠場するという残念な結果となりました。さらに10月開催のWTTチャンピオンズ、WTTカップファイナルズも欠場しました。
大会終了後
早田ひな選手のインスタとツイート
早田ひな選手のインスタグラムストーリーズの要約です。
- 体調管理、痛みを気にしながらの練習などで卓球だけに向き合えない時間が続いて不安な1週間でした。
- それでも相手のエースに勝たなければならないポジションにいたので、いつも以上に自分を信じて前を向くしかない毎日でした。
- らしくないプレーも多かったが、それを受け止めて勝ち切れました。
- 多くの人に助けられた1週間でした。
- 試合に出られなかった悔しさはありますが、収穫も多かったです。
- まずはこの怪我と向き合い、トレーニングもしっかり行い、万全な状態でコートに立ちたいと思います。
万全な状態でコートに戻ってくる日を待っています。
皆さん日本から連日沢山の応援ありがとうございました。
今回は嬉しい気持ち半分、悔しい気持ち半分の世界選手権でした🥈
渡辺監督、スタッフの皆さん、選手皆んなに助けられた1週間で感謝の気持ちでいっぱいです🙇♂️しっかりコンディションを整えてまた頑張ります!
引き続き応援宜しくお願いします🐥 pic.twitter.com/ns34U0065Z— 早田ひな (@hayata_hina) October 10, 2022
引用:早田ひな選手のツイート
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引用:早田ひな選手のインスタグラム
左腕の状態について
帰国後の取材で、左腕の状態が明かされました。
上記2記事の要点はこうです。
- 左腕の痛みについては「筋肉痛がひどくなっているような感じ。腕を曲げると張りがある」。
- WTTコンテンダーアルトマイのころから左腕に炎症があったが、治り切らないまま世界選手権に入った。
- 準々決勝から3試合出場する予定だったが、決勝はプレーできない状態だった。
- 大会中は緊張などが理由で食事がのどを通らないこともあった。
- 左腕を曲げると張りを感じるため、日常生活でも極力伸ばした状態で過ごしている。
- 1ヶ月休養し、11月中旬の第3回パリオリンピック選考会での復帰を目指す。
しっかり治して第3回パリオリンピック選考会と、その翌週のアジアカップに万全な状態で出場できることを願っています。
渡辺武弘監督の振り返り
10月31日に公開された、渡辺武弘監督のインタビュー記事です。選手起用について詳しく語られています。
卓球ジャパン!に出演した渡辺武弘監督が、早田選手の決勝戦欠場を決めたのは決勝当日の朝だった、と話されています。リンクのその会話冒頭から。
第3回パリオリンピック選考会に間に合った
決勝戦を欠場してから5週間後に開催された、第3回パリオリンピック選考会(2022全農CUP TOP32船橋大会)に間に合わせることができました。実践的な練習を再開できたのは選考会の2日前、1日試合ができるだけの体力を付けることはできず、強打の練習もできませんでしたが、それでも元気に出場して奇跡的に決勝戦まで進み、平野美宇選手に敗れましたが準優勝という、これ以上望めない成果を手にしました。
間に合って本当に良かったです。
なお、準決勝後のインタビューで、世界卓球選手権の決勝戦に出ていたら、第3回パリオリンピック選考会にはまず出られていなかったと語っていました。