国際大会

アジアカップ2022の結果詳細

早田ひな選手は10月上旬に左腕を故障してしまい、治療のための休養に入りました。目標だった第3回パリオリンピック選考会での復帰を果たし、その翌週に開催されたアジアカップにも元気に出場しました。

100%の状態ではなく結果は4位でしたが、収穫もあり、何よりケガなく終えることができて本当に良かったです。

*アイキャッチ画像はテレビ東京卓球情報のツイートからの引用です。

大会の仕様

  • アジア地区から出場資格を得た男女16名ずつで行われる大会。毎年開催されますが、2020年、2021年はコロナ禍の影響により中止でした。
  • 各協会から最大2名しか出場できません。
  • シングルスのみ、全試合7ゲームマッチ
  • 3位決定戦あり
  • シード、ドローは最新のWR順で行います。同一協会の選手は反対側の山に入ります。WTTシリーズよりも運の要素が少ないです。
  • テーブル1台のみによる進行。
  • 優勝選手には500ポイントが付与されます。

大会情報

  • 期間:11月17日から19日
  • 場所:タイのバンコク(日本との時差2時間、現地10:00が日本の12:00)
  • 出場種目:シングルス
  • 参照:ATTU公式サイト

ネット中継

  • ITTFのYoutubeチャンネルが全試合リアルタイム配信しました。
  • テレビ東京卓球チャンネルが全試合リアルタイム配信しました。
  • リアルタイム視聴できなくても、おおむね12時間以内にはテレビ東京卓球チャンネルにアーカイブがアップされました。ありがたいです。

出場選手

出場選手16名の顔ぶれです。

2022アジアカップ、出場選手

今大会のドローは8選手までシードされ、同じ協会の選手は反対側の山に入るというルールで行われました。WTTシリーズよりずっと好感が持てます。

早田選手は初戦でツォン・ジエン選手と、2回戦(準々決勝)で杜凱琹選手か鄭怡静選手と当たるドローでした。準決勝まで行ければおそらく相手は王芸迪選手ですが、ケガから復帰して間もないため勝つのは困難でしょう。

僕は現実的な目標として、準決勝進出、そして今大会は3位決定戦があるので、そこで無理せずに頑張るのが良いと思いました。

早田ひな選手、伊藤美誠選手が出場権を得た理由

この大会は、条件を満たした選手に出場資格が与えられます。その選手が出場を辞退すると、その協会内で次の優先度の選手が出場可能になります。

  • 早田選手は2021年アジア選手権大会のシングルスで優勝していたことにより、優先度1で出場権を得ました。
  • 伊藤選手は2022年9月6日のWRが5位だったことにより、優先度2で出場権を得ました。

早田選手、伊藤選手とも出場を辞退しなかった(早田選手はケガからの復帰が間に合った)わけです。

なお今回、中国は男女ともに優先度1、2の選手は出場しませんでした。

またシードはドロー前日のWRで行われたため、伊藤選手が第2シード、早田選手が第3シードでした。

結果:4位

準決勝で王芸迪選手に敗れ、3位決定戦でマニカ・バトラー選手に敗れて4位でした。獲得したWRポイントは175でした。(ちなみに、3位でも175ポイントです。)

なお、石田コーチのインスタグラムによると、3位決定戦が行われたのはワールドカップの順位付けのためですが、ワールドカップの開催は見送られたそうです。

Round 16(1回戦)

シンガポールのツォン・ジエン選手との戦いでした。

シンガポールのツォン・ジエン選手

2022アジアカップ、R16、ツォン・ジエン選手との対戦結果

ギリギリで勝てました。ツォン・ジエン選手、強かったです。

  • 第1ゲーム、接戦で8-8まで競りますが、強打を決められて8-10とゲームポイントを握られます。そこから精度の高い両ハンドで攻めて4連続得点し、12-10で取ります。早田選手は強打にミスが目立つものの、ツォン選手は守備力が高く、勝つには攻めるしかありません。
  • 第2ゲーム、流れをつかんで4-0とリードしますが、ミスが増えて7-8と逆転されます。早田選手は攻め続けますが、8-11で落とします。ツォン選手は手強いです。
  • 第3ゲーム、気になっていたミスが減り、流れをつかんで11-4と圧倒します。
  • 第4ゲーム、早田選手がリードする展開で7-4としますが、そこからミスを連発して6連続失点し、7-10とゲームポイントを握られます。強気で攻めますが9-11で落としてしまいます。6連続失点はもったいなかったです。
  • 第5ゲームも早田選手がリードする展開で8-3としますが、そのリードを守れず9-10と逆転でゲームポイントを握られます。サービスエースでデュースとし、ミドルをうまく攻めて12-10で取ります。
  • 第6ゲーム、接戦で7-7まで競りますが、そこから4連続でラリー戦に勝てず7-11で落としてしまいます。
  • 最終第7ゲーム、コース取りが良くなり、ミドル攻めが効果的で、リードを広げます。得点源としていた、狙いすましたバックハンドも決まります。サービスエースも連発して11-3で勝ち切り、苦しかった試合をものにしました。

負けてもおかしくない試合でした。勝てて良かったです。

この試合ではゲーム間やタイムアウト時にベンチに座ることはなく、体力的な問題はないようでした。動きも良かったです。また、2022全農CUP TOP32船橋大会では見られなかった、回り込んでのフォアハンドドライブが良く決まっていました。

フル動画。

ハイライト。

1分間のダイジェスト。フルゲームの苦しい戦いを強いられるも、1回戦を突破。

この試合のスーパープレー。

準々決勝

香港の杜凱琹選手との対戦でした。

香港の杜凱琹選手

2022アジアカップ、QF、杜凱琹選手との対戦結果

両ハンドにミスが多くゲームカウント1-3と追い込まれますが、そこから別人のようなプレーに変わって勝ちました。

  • 第1ゲーム、プレーが精度を欠く中、杜凱琹選手のミスに助けられて11-8で取ります。調子良くないです。
  • 第2ゲーム、ミスを連発して0-6と大量リードされます。5-7まで追い上げますが、甘くなったボールを強打されるなどして5-10とゲームポイントを握られます。得点源である両ハンドドライブにミスが多く、7-11で落としてしまいます。
  • 第3ゲーム、両ハンドの精度が上がらず、思うように得点を重ねられません。9-11でこのゲームも落とします。両ハンドの精度を上げないと勝てないです。
  • 第4ゲームも両ハンドの精度が上がらず、ボールの回転を読み切れないことによるミスも目立ち、リードを許す展開になります。それでも強気で両ハンドを振り続けますが、9-11でこのゲームも落としてしまいます。ゲームカウントは1-3となり、後がなくなります。
  • 第5ゲームから別人のようにプレーの精度が上がります。両ハンドのコントロールが効くようになり、強打も決まって10-2と大量リードでゲームポイントを握ります。ここからミスが続いて追い上げられますが、11-6で取り返します。
  • 第6ゲーム、接戦になり5-4まで競りますが、振り切った両ハンドで連続得点し、11-4で取ります。ゲームカウントを3-3に戻します。
  • 最終第7ゲーム、両ハンドを振り切り得点を重ね、9-2と大量リードします。コート内に石田コーチの咆哮が響きます。杜凱琹選手の追い上げを退けて11-6で勝ち切り、苦しかった試合をものにしました。

ゲームカウント1-3と追い込まれた状況から、逆点で勝てて本当に良かったです。ケガから復帰したばかりで手にしたこの勝利は、大きな自信につながったことでしょう。

フル動画。

ハイライト。

この試合のスーパープレー。

準決勝

中国の王芸迪選手との対戦でした。

中国の王芸迪選手

2022アジアカップ、SF、王芸迪選手との対戦結果

故障明けだし、いろいろと実力差を感じる結果となりました。

  • 第1ゲーム、接戦で6-6まで競りますが、そこからミスが出て7-11で落とします。今大会、サーブミスが目立つのは練習不足によるものでしょうか。
  • 第2ゲーム、サーブが効き、ミスも減って攻撃が決まるようになり、10-3と大量リードでゲームポイントを握ります。そこから追い上げられますが、11-6で取り返します。
  • 第3ゲーム、オーバーミス、レシーブが甘くなったボールを強打されるなどしてリードを許す展開になります。修正できないまま4-11で落とします。
  • 第4ゲーム、流れをつかんで6-2と大量リードしますが、ミスを重ねて6-6と追い付かれます。どちらがミスをするかの勝負で9-8としたところでタイムアウトを使いますが、王芸迪選手の逆襲にあい9-11でこのゲームも落としてしまいます。ゲームカウント1-3と後がなくなります。
  • 第5ゲーム、5-5まで競りますが、そこからラリー戦で打ち負ける、レシーブ・サーブが甘くなり強打されるなど悪い流れのまま5-11で落とし、敗戦となりました。

ラリー戦で打ち負けるのはしょうがないとして、この試合では凡ミスと思えるプレーが目立ちました。ケガによる休養明けで、これが精一杯だったのでしょう。来年の早い段階で、万全の状態で再戦できるといいですね。

フル動画。

ハイライト。

この試合のスーパープレー。

3位決定戦

インドのマニカ・バトラー選手との対戦でした。裏面に粒高ラバーを使う異質型です。また、ラケットを反転させる「業師」です。

インドのマニカ・バトラー選手

2022アジアカップ、3位決定戦、マニカ・バトラー選手との対戦結果

バトラー選手は陳幸同選手を倒して勝ち上がって来ただけあって、とても強かったです。今日の早田選手が勝つのは無理でした。

  • 第1ゲーム、バトラー選手のサーブ、強打に対応できず、6-11であっさり落とします。
  • 第2ゲーム、攻撃の組み立てが良くなり、フォアドライブで得点できることが増えて、11-6で取り返します。
  • 第3ゲーム、流れをつかむことができず、7-11で落としてしまいます。バトラー選手のボールに苦労しています。
  • 第4ゲーム、流れをつかんで10-6とゲームポイントを握りますが、そこからバトラー選手の強打に対応できず6連続失点して10-12で落としてしまいます。このゲームを取れなかったのは痛かったです。
  • 第5ゲーム、好調時のようなプレーでつかんだ流れを離さず、11-4で取り返します。ゲームカウントは2-3に。
  • 第6ゲーム、ゾーンに入ったかのように攻撃力・守備力を上げたバトラー選手に圧倒されて2-11で落とし、敗戦となりました。

負けてしまいましたが、よくここまで戦えたと思います。

フル動画。

ハイライト。

白熱、スーパーラリー集。

この試合のスーパープレー。

まとめ

4位で十分

早田ひな選手は4位でしたが、故障からの復帰戦であったことを考えると、良くそこまで戦えたと言っていいでしょう。そしてWRポイント175を獲得できたことにより、2023年1月に2021年のWRポイントが失効後も、日本人選手2位(1位は伊藤美誠選手)のポジションをキープできます。出場制限の厳しいWTTシリーズを有利に戦うためには、協会内での世界ランク順位はとても重要です。

  • 苦しい初戦を勝ち切れた。
  • さらに苦しい準々決勝で杜凱琹選手に勝てた。
  • 100%の状態でない中、王芸迪選手、バトラー選手と対戦して負けはしたものの、収穫があった。

成果は十分です。

また、早田選手と石田コーチには銅メダルが授与されたそうです。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

石田大輔 D.ISHIDA(@daisukeishida1979)がシェアした投稿

ケガなく終えられて良かった

大会終了後に、インスタグラムストーリーズで状況を教えてくれました。ありがたいです。

次はその要約です。

  • 選考会とアジアカップを、無事に怪我なく終えられたことにホッとしています。
  • サポートしてくれている方、応援してくれる方への感謝の気持ちでいっぱいです。
  • いろんな戦型の選手と戦えて、さらに自分を成長させられる気付きがたくさんありました。
  • 感覚がほとんど戻っていない中でどう戦うかをすごく考えさせられた2大会でした。
  • それでも今までできなかった感覚での打球ができた、自分自身の力でそれを掴めた瞬間はすごくうれしかったです。
  • 次にコートに立つ時には100%の状態で試合ができるよう、身体を戻せるように頑張ります。
  • 引き続き応援よろしくお願いします。

大会に出ても大丈夫だと慎重に判断し、できる範囲で無理しないで戦ったわけですが、何よりケガなく終えられて良かったです。

関連記事

-国際大会

© 2024 早田ひなライブラリー